(読み)ギ

デジタル大辞泉 「疑」の意味・読み・例文・類語

ぎ【疑】[漢字項目]

[音](呉)(漢) [訓]うたがう
学習漢字]6年
ぐずぐずしてためらう。「遅疑狐疑逡巡こぎしゅんじゅん
疑わしく思う。「疑義疑念疑問疑惑疑心暗鬼懐疑嫌疑猜疑さいぎ質疑容疑半信半疑

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精選版 日本国語大辞典 「疑」の意味・読み・例文・類語

ぎ【疑】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ぎしん(疑心)
    1. [初出の実例]「今時の人、古人も疑ふた程にとて、疑を生るは疑のまね也。実の疑にあらず」(出典:盤珪禅師法語(1730))
  3. 確かでないと思うこと。あやしむこと。うたがい。語素として用いるのが普通である。
    1. [初出の実例]「信の世界に偽詐多く、疑の世界に真理多し」(出典:学問のすゝめ(1872‐76)〈福沢諭吉〉一五)
    2. [その他の文献]〔戦国策‐秦策・武王〕

うたがいうたがひ【疑】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「うたがう(疑)」の連用形名詞化 ) はっきりしない事柄について思いまどうこと。また、よくないことがあるのではないかと思うこと。不審。疑念。あやしみ。
    1. [初出の実例]「朝(みかど)の猜忌(ウタガヒ)を避(さ)りたまふ」(出典:日本書紀(720)持統称制前(北野本訓))
    2. 「世のうたがひ負ひ給ひぬべくものし給へば」(出典:源氏物語(1001‐14頃)桐壺)

うたぐり【疑】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「うたぐる(疑)」の連用形の名詞化 ) 「うたがい(疑)」のやや俗な言い方。
    1. [初出の実例]「おうたぐり身は空解の帯の咎」(出典:俳諧・うたたね(1694))
    2. 「ふしぎなわけでうたぐりを請(うけ)るものだ」(出典:人情本春色梅児誉美(1832‐33)三)

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普及版 字通 「疑」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 14画

(異体字)
9画

[字音] ギ・ギョウ
[字訓] うたがう

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 象形
卜文・金文にみえる字の初形は(ぎ)に作り、人が後ろを顧みて凝然として立ち、杖を樹てて去就を定めかねている形。心の疑惑しているさまを示す。のちに止、あるいはの反文などを加えて疑となった。〔説文〕に字を子部十四下に属し、「惑ふなり。子止匕に從ひ、矢聲」とするが、矢を含む形でなく、またその声でもない。金文に「、亞形圖象」とよばれるものがあり、亞(亜)は玄室儀礼を掌る聖職者、はその凝然として立つ形。

[訓義]
1. うたがう、まどう、あやしむ。
2. 似る、うたがわしい。
3. ・凝・嶷と通じ、とどまる、定まる。

[古辞書の訓]
名義抄〕疑 ウタガヒ・ウタガフ・ニタリ・シヅカニ・タタク・ネヤ 〔字鏡集〕疑 キラフ・ニタリ・ヲハル・シヅカニ・ウタガフ

[声系]
〔説文〕に疑声として・癡(痴)・・嶷・礙・擬など九字を収める。凝は〔説文〕未収。その凝然として立つ意より、嶷・礙などの声義が生まれる。

[熟語]
疑案・疑異疑畏・疑雲・疑怪・疑懐疑礙・疑間・疑忌・疑・疑義・疑議疑誼・疑疑懼疑惧・疑隙・疑嫌・疑・疑眩・疑誤・疑行疑獄疑猜・疑罪・疑錯・疑志・疑詞・疑弐・疑似・疑事・疑二・疑辞疑疾・疑色・疑心・疑人・疑戦疑沮疑阻疑殆疑紿・疑憚・疑団・疑遅疑竇・疑難・疑念・疑背・疑・疑怖・疑物・疑抱疑謗疑昧・疑迷・疑問・疑止疑滞・疑立・疑乱・疑留・疑慮・疑惑
[下接語]
解疑・懐疑・危疑・棄疑・九疑・虚疑・懼疑・群疑・啓疑・稽疑・欠疑・決疑・嫌疑・献疑疑・疑・獄疑・猜疑・志疑・咨疑・質疑・釈疑・所疑・証疑・信疑・折疑・然疑・遅疑・定疑・伝疑・難疑・不疑・平疑・無疑・容疑

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