病気にかかった場合に、その治療・手術・入院などの費用を填補(てんぽ)し、または治療中に失われる所得を補償する保険。わが国では、この主要部分を社会保険制度のなかの健康保険が対象としており、また、業務上の疾病や傷害事故は労働者災害補償保険が対象としている。したがって民間の保険会社が進出する余地は限定されているが、最近の医療に要する諸費用の上昇を背景に、健康保険制度を補足するものとして、生命保険会社からは、病気により入院したとき入院給付金、手術を受けたとき手術給付金などを支払うことをおもな給付内容とする疾病関係商品が特別保険約款(特約)または単独商品として売り出されており、また損害保険会社からは、治療中の所得補償を給付内容とするものが特約として売り出されている。
[金子卓治]
出典 みんなの生命保険アドバイザー保険基礎用語集について 情報
… 日本の現行制度では,後述のように,一般被用者を対象とする健康保険と,地域住民を対象とする国民健康保険を中心に,いくつかの制度が並存している。
【沿革】
働く人々が傷病によって労働不能状態に陥り,生計の維持が困難なときに,まずもって賃金に代わる手当(傷病手当金,休業手当金など)を支給し,あわせて必要な医療の給付を行う社会保険制度は,初期には労働者保険といわれ,1883年ドイツで設けられた疾病保険がその最初であった。それは強制加入を条件とし,指定医療機関での医療と一定の手当金が支給された。…
…加入にあたっては告知書に健康状態を記入するのみで,医師の診断を要しない。給付対象を疾病全般にひろげた疾病保険も,日本では76年以降,アリコ・ジャパン社(American Life Insurance Companyの日本支社)が販売している。【市川 昇】。…
…また,19世紀後半以後の資本主義の新たな展開は,社会政策としての公的保険をもたらした。ドイツでビスマルクにより始められた疾病保険(1883),災害保険(1884),疾病・老齢保険(1889)がそれで,その後各国でも健康保険,失業保険等の社会保険が実施され今日に及んでいる。
[日本の歴史]
日本にも古くから,社倉・義倉,頼母子講,投銀(なげがね),海上請負等,保険類似の仕組みはあったが,今日の保険は明治時代に欧米の保険制度を導入して始まったものである。…
※「疾病保険」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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