六訂版 家庭医学大全科 「症候性低血圧症」の解説
症候性低血圧症
しょうこうせいていけつあつしょう
Symptomatic hypotension
(循環器の病気)
どんな病気か
原因となる病気が認められるために、二次的に収縮期血圧が100㎜Hg未満となり、低血圧症を示す場合です。
症候性低血圧症は、原因となる病気の有無と重症度を調べることが極めて大切となります。
原因は何か
症候性低血圧症の原因となる病気を表12に示します。原因疾患にはさまざまなものがありますが、最も重要なのは心臓疾患に伴う心機能の低下(ポンプ失調)と不整脈であり、頻度の多いものとして血管拡張薬などの薬物投与および血液、
症状の現れ方
症候性低血圧は、原因疾患によって症状の現れ方は異なります。
出血・脱水などの循環血液量の減少や
検査と診断
症候性低血圧症は原因疾患を診断することが大切です。まず、スクリーニング検査が行われ、貧血症、糖尿病、感染症、
治療の方法
原因疾患の治療が最優先されます。それぞれの原因疾患の治療が適切に行われることにより、症状の改善がみられます。
病気に気づいたらどうする
低血圧症状の出現が急激な場合や、症状の程度と持続が著しい場合は症候性低血圧症を考えて、専門医(内科)の診察を受けることが重要です。原因疾患によっては、診察が遅れることにより、治療が難渋して、重症の経過をとることがあるため注意を要します。
西崎 光弘
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報