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痔核(いぼ痔) じかくいぼじHemorrhoids(Piles)

家庭医学館の解説

じかくいぼじ【痔核(いぼ痔) Hemorrhoids(Piles)】

◎30~40歳代に多くおこる
[どんな病気か]
 直腸(ちょくちょう)の下部や肛門(こうもん)には、静脈が網目状になって存在しています(静脈叢(じょうみゃくそう))。立って歩き、仕事をする人間は、重力、腹圧がかかるために、この静脈がしだいに発育して太くなってきます。
 静脈が太くなってくると、そこにうっ血(けつ)がおこり、腫(は)れ上がってきます。この状態が痔核ですが、いぼのように腫(は)れ上がってくるので、俗にいぼ痔とも呼ばれています。
 重症になると、血栓性静脈炎(けっせんせいじょうみゃくえん)を合併することがあります。
 30~40歳代に多くおこり、男女比は男性1.5対女性1の割合です。
[原因]
 便秘(べんぴ)があると、便がかたくなり長時間いきむので、筋肉の緊張により静脈がうっ血しやすくなります。うっ血がくり返されると、腫れ上がって痔核となります。
 とくに、妊娠した女性では、大きくなった子宮(しきゅう)が大腸(だいちょう)を圧迫するので便秘になりやすいうえに、子宮が骨盤(こつばん)内の静脈を圧迫するために、肛門近くの静脈がうっ血をおこしやすくなります。そのため、妊婦は痔核になることが多いのです。
 そのほか、重いものを持ち運ぶ、長時間しゃがんだり立ったりしたままでいる、臀部(でんぶ)を冷やす、アルコールを多飲するといったことも、肛門内の静脈のうっ血をまねく大きな誘因となります。
 また、頻繁(ひんぱん)に下痢(げり)をくり返すと、痔核が発生しやすいだけでなく、炎症をおこして症状を悪化させます。
 そのほか、腹腔(ふくくう)内に大きな腫瘤(しゅりゅう)があったり、門脈圧亢進(もんみゃくあつこうしん)(「門脈圧亢進症」)、ぜんそくなどによっても、静脈叢のうっ血がおこり、痔核の原因となります。
◎内痔核(ないじかく)と外痔核(がいじかく)とがある
[種類]
 肛門の中央部には、粘液(ねんえき)を分泌(ぶんぴつ)する肛門腺(こうもんせん)が14~16個、輪を描くようにして並んでいて、この部分を歯状線(しじょうせん)といいます。
 この歯状線よりも内側にできた痔核を内痔核、外側にできたものを外痔核といいます(図「内痔核と外痔核」)。まれに、歯状線のすぐ下に痔核ができることがあり、これを中間痔核(ちゅうかんじかく)と呼ぶこともあります。
 また、内痔核が肛門の外に脱出して肛門内にもどらなくなることがあり、嵌頓痔核(かんとんじかく)(または急性血栓性内痔核脱出(きゅうせいけっせんせいないじかくだっしゅつ))といいます。
 外痔核の場合は視診(ししん)で、内痔核は肛門鏡(こうもんきょう)を使って、容易に診察することができます。

出典|小学館家庭医学館について | 情報

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