(読み)ミズノト

精選版 日本国語大辞典 「癸」の意味・読み・例文・類語

みず‐の‐とみづ‥【癸】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「水の弟」の意 ) 十干の第一〇番目。五行説によって五行の水に十干の癸(き)を配したもの。き。

き【癸】

  1. 〘 名詞 〙 十干の第一〇番目。みずのと。〔黒本本節用集(室町)〕〔爾雅‐釈天〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「癸」の読み・字形・画数・意味


9画

[字音]
[字訓] はかる・みずのと

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 象形
器を樹(た)てるときの台座として用いる柎足(ふそく)の形。木を十字形に交叉して組み、地において安定した座とする。〔説文〕十四下に「時、水土らかにして揆度(きど)すべきなり。水、四方よりれて地中に入るの形に象る」とするが、卜文・金文の字形はその象としがたい。〔説文〕はまた字を「癸は壬を承け、人の足に象る」とするが、足の形ではない。十干の名は卜辞にみえ、これを木火土金水にあて、癸を「水の弟(と)」とするのは五行説以来のことで、十干は本来は五組の記号名であったらしい。甲乙は亀甲獣骨、壬癸の壬は碪任(たたく台)の形、癸は器を樹てる台の形。揆度の意は、その台座の間隔などが度量の基準として使用されたからであろう。

[訓義]
1. 台座の形。
2. 間隔をはかる、ことをはかる、心をはかる。
3. 十干の一、みずのと。干支の組み合わせは癸酉・癸未・癸巳・癸卯・癸丑・癸亥
4. に通じ、武器。

[古辞書の訓]
名義抄〕癸 ハツ・ヲフ・ハカル

[声系]
〔説文〕に癸声として(葵)・・揆など九字を収める。〔書、顧命〕に「一人冕してを執る」とあり、とは三鋒の矛をいう。金文の癸の字形に、そのように鋒の分岐した器の形に作るものがある。乖離に左右両視の意があり、分岐・乖戻の意がある。

[熟語]
癸穴癸水

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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