翻訳|producer gas
石炭やコークスからガス発生炉を用いて得られる,水素や一酸化炭素を主成分とするガス。工業用燃料ガスあるいは化学用合成ガスを生産する目的で,かつては大規模に実施されたが,石油全盛期にはすたれてしまった。しかし,1970年代の石油危機以降,石炭のガス化技術が再び見直されている。石炭ガス化の装置形式は,新時代の要求にこたえて改良されることになろうが,ガス化反応の原理そのものは今も昔も変わることはない。
旧型のガス発生炉では,石炭またはコークスを炉頂から供給し,炉の下部からガス化剤として空気および水蒸気を供給する。ガスは炉の上部から,石炭灰は炉の底部から取り出される。石炭は炉の上部でまず乾留を受けてコークスとなり,次いでコークスは還元層(800~1000℃)に降下して還元反応を受ける。すなわち,
C+CO2=2CO-38.2kcal ……(1)
C+H2O=CO+H2-28.4kcal ……(2)
さらに炉の下部の酸化層(1000~1200℃)ではコークスの燃焼反応が起こる。
C+O2=CO2+97kcal
C+1/2O2=CO+29.9kcal
石炭のガス化炉中ではそのほかに多くの反応が起こるが,とくに反応(1)を発生炉ガス反応,(2)を水性ガス反応と呼ぶ。
上述の伝統的なガス化炉形式を今日も採用している石炭ガス化炉としては,ルルギ炉が著名であり,これは反応工学では移動層型ガス化炉と呼ばれる。このほか,流動層型ガス化炉としてのウィンクラー炉,気流(噴流)層型ガス化炉のコッパース・トチェク炉などが実用化されている。
→石炭ガス化
執筆者:冨永 博夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
※「発生炉ガス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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