白羽村(読み)しろはむら

日本歴史地名大系 「白羽村」の解説

白羽村
しろはむら

[現在地名]御前崎町白羽

御前崎町の西部に位置し、北は新庄しんしよう(現相良町)、東は地頭方じとうがた(現同上)の枝郷御前崎、西は小笠おがさ佐倉さくら(現浜岡町)、南は遠州灘に面する。「延喜式」主税寮の諸国出挙正税公廨雑稲の項に白羽官牧とみえ、同牧分の馬の値として出挙稲四千四六〇束が計上されており、薬分料は一万束。鎌倉時代の「国牛十図」の遠江牛の項に「相良牧、白羽立牛、称相良牛、件庄蓮華王院領」とある。現山梨県中道なかみち町の日枝神社が所蔵する明応二年(一四九三)二月に書写されたと思われる大般若経奥書に「筆主相良庄白羽住僧継泉」などとある。


白羽村
しらはむら

[現在地名]常陸太田市白羽町

多賀山地の西側の丘陵が里川の渓谷と接する位置にある。北は茅根ちのね村。村名の白羽は、「延喜式」神名帳にみえる「天之志良波神社」、「三代実録」にみえる「白羽神」と関係があり、弘安大田文の佐都西郡に「大田白岩八十丁三段小」とある白岩は白羽のことで、文禄四年(一五九五)七月一六日付の御蔵入目録(秋田県立図書館蔵)には「二百五十石三斗八升 志らハ」とある。寛永一二年(一六三五)の水戸領郷高帳先高に「白羽村」とみえ、元禄郷帳には「古ハ白羽、根本二ケ村」と注記される。


白羽村
しろわむら

[現在地名]浜松市白羽町

中田島なかたじま村の西、馬込まごめ川沿岸に位置。西は田尻たじり村。天正一六年(一五八八)と推定される八月七日の倉橋昌次書下(清水文書)によると、白羽の惣左近が白羽むかいせ芝間・大はた芝間・しうとめつか芝間・南芝間・ほそなわしり田などの開発を許されている。翌一七年一二月三日には惣左近が白羽村の検見を一任され、年貢上納の役を命じられた(「岡俊等連署状」同文書)


白羽村
しろわむら

[現在地名]竜洋町白羽

掛塚かけつか輪中の南東に位置する村。西は掛塚村、南は天竜川河口。天正一九年(一五九一)一一月二〇日の四拾七村惣高辻書上(横山家文書)に白羽とみえ高一六七石余。正保郷帳では幕府領。田二五石余・畑八四石余、十二社大明神(現白羽神社)領三二石。領主の変遷は掛塚村に同じ。元禄郷帳では高一九二石余、享保郷村高帳では一七六石余、天保郷帳によると高二〇九石余。天竜川池田いけだ(現豊田町)の渡船では大助人足役郷として人足五人を勤めた(寛政四年「天竜川渡船由緒書上帳」天竜川船越渡船資料)。臨済宗方広寺派龍泉りゆうせん寺、清雲寺、白羽神社があったが、清雲寺は昭和三〇年(一九五五)曹洞宗聖寿しようじゆ寺に統合。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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