釈迦十大弟子の一人。前5世紀ころの人。生没年不詳。サンスクリット名Mahāmaudgalyāyana。大目犍(乾)連と漢訳され,目連と略称。中インド,アガダ国の生れ。バラモンの出身。はじめ六師外道の一人サンジャヤ・ベーラッティプッタに学んだが,舎利弗(しやりほつ)の紹介で釈迦に帰依し,高弟となり,その教化活動を補佐した。六通(6種の超人的な能力)を得て神通第一と称された。中国では西晋の竺法護訳と伝えられる《仏説盂蘭盆経》が出て,目連が餓鬼道に堕(お)ちた母を救う話が説かれてより,盂蘭盆会(うらぼんえ)の行事が広まった。敦煌文書の中に,隋・唐の間の《仏説盂蘭盆経》,唐・五代のころの《目連変文》(写本,十数種)が残存し,目連説話の流行を物語っている。宋代には目連救母説話は戯文・伝奇さらに地方劇にとり入れられて流行し,明代では宝巻にもとり入れられた。清代では蝗(いなご)や流行病の駆除に,目連救母劇が上演された。
執筆者:小川 陽一
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…盂蘭盆供会,盂蘭盆祭ともいい,略して盂蘭盆と称し,広く魂祭(たままつり),精霊会(しようりようえ),お盆などといわれる。 盂蘭盆はサンスクリットavalambanaの転訛したullambanaの音写とされ,倒懸(さかさづり)の意で,《盂蘭盆経》によると,目連が餓鬼道に落ちた母の倒懸の苦しみを救おうとして,釈迦の教えに従って祭儀を設けて三宝に供養したことが起源であると説かれてきた。しかし最近ではこれを否定して,盂蘭盆の原語はイラン語系の死者の霊魂を意味するurvanであり,霊魂の祭祀と同時に収穫祭でもあったウルバンという祭祀が,イラン系ソグド人の中国進出とともに中国に伝えられ,畑作農業地帯の収穫祭として中元と結合したもので,仏教徒が自恣(じし)の日を中元に結びつけたことによって,今日に伝わる盂蘭盆会の原型が成立したとする説が出ている。…
…(2)摩訶目犍連(まかもつけんれん) パーリ語でマハーモッガラーナMahāmoggallāna。一般に目連と書かれる。神通第一。…
…道教では,人の罪を許す地官の誕生日とみなし,道士が経典を読んで亡者を済度した。また仏教では,《盂蘭盆経(うらぼんきよう)》等に見える目連(もくれん)尊者の孝行譚(たん)により,六朝後期以来,寺院では盛大な盂蘭盆会が開かれ,迷える亡者を済度した。このため後世,鬼節(鬼は亡霊の意)とも呼ばれる。…
※「目連」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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