釈迦(しゃか)の十大弟子の一人。サンスクリット語マウドガリヤーヤナMaudgalyāyanaの音写。大目犍連ともいい、目連と略称もする。マガダ国のバラモンの出身。シャーリプトラŚāriputra(舎利弗(しゃりほつ))とともに、懐疑論者サンジャヤSañjayaの弟子となり、当初、マガダ国では釈迦より有名であったが、シャーリプトラとマウドガリヤーヤナを弟子にした釈迦は一躍有名になった。マウドガリヤーヤナは超自然的能力に優れ、修行の結果、神通(じんずう)第一といわれるに至った。多くの仏教信者を獲得したらしく、ある日、托鉢(たくはつ)に出かけたとき、執杖(しゅうじょう)バラモンたちがみつけて、「彼さえいなければ、釈迦の教団は終わり」であるといって、彼を半死半生のめにあわせ、それがもとで釈迦在世中に没した。後世『盂蘭盆経(うらぼんぎょう)』ができ、目犍連が餓鬼道に落ちた母を救うという伝説がつくられ、お盆(盂蘭盆会(え))の起源とされるに至った。
[石上善應 2016年12月12日]
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