直臣(読み)ちょくしん

精選版 日本国語大辞典 「直臣」の意味・読み・例文・類語

ちょく‐しん【直臣】

〘名〙
① 直言する臣。また、正直な臣下
三国伝記(1407‐46頃か)一〇「直臣賢才を播し、蘭芬の文章を御(おさめ)たり」 〔漢書‐朱雲伝〕

じき‐しん ヂキ‥【直臣】

〘名〙 江戸時代旗本御家人などの将軍直属武士直参
開化入口(1873‐74)〈横河秋濤〉三「大名小名或は旗元御家人直臣(ヂキシン)陪臣一文上りの世界と成て」

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改訂新版 世界大百科事典 「直臣」の意味・わかりやすい解説

直臣 (じきしん)

中・近世武家社会における直属の家臣の称。主君の直接支配下に属する家臣のこと。直参の武士の称。陪臣に対する。鎌倉時代,北条氏得宗家の被官は御内人(みうちびと)と呼ばれ,得宗の直臣ではあるが,将軍家からすれば陪臣となる。これに対して一般御家人は外様御家人と呼ばれ疎外されたが,将軍家からみれば直臣である。しかしその主従関係は比較的薄かった。室町時代以後は将軍家は直属の家臣を掌握することにつとめ,権力の強化をはかっている。江戸時代の旗本・御家人は将軍家の直臣といえよう。
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百科事典マイペディア 「直臣」の意味・わかりやすい解説

直臣【じきしん】

中・近世武家社会における直属の家臣の称。主君の直接支配下に属し,陪臣に対する。鎌倉時代の御家人,江戸時代の大名旗本・御家人は将軍に対して直臣にあたる。また江戸時代,直臣のうち大名を除く旗本・御家人を総称して直参といった。

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普及版 字通 「直臣」の読み・字形・画数・意味

【直臣】ちよくしん

直諫の臣。

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