江戸時代、幕府の旗本(はたもと)・御家人(ごけにん)の総称。大名の家臣である陪臣(ばいしん)に対することばとして使われた。彼らは将軍直属の家臣として勤仕するとともに、その軍事的な基盤となった。このため陪臣に対しては格式の高さを誇った。その総数は享保(きょうほう)期(1716~36)で旗本5206人、御家人1万7304人である。新参・今参といった用法からも明らかなように、直参の参は奉公にあがることや宮仕えすることを意味し、本来は幕臣の総称ではなく、無役以外の役付きの旗本・御家人の総称として使われたものである。ほかに同じ意味で「昵懇(じっこん)の者(衆)」という用法もあった。その始まりは新しく室町期以降のことであろう。幕府は江戸時代初頭には幕臣一般の総称として旗本の用語を使用していたが、やがて旗本と御家人を分ける風が定着するとともに直参の用語が旗本の用語にとってかわったと推定される。
[佐々悦久]
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本来は主君の直接的な支配に属する家臣すなわち直臣をさす。江戸時代にはもっぱら徳川将軍家に直属する旗本をさす。禄高からみれば小身者が圧倒的に多いが,将軍の直臣で幕府の重職に就任すれば大名と同等かそれ以上の格式・権限をもつため,武家社会内での地位はきわめて高かった。
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…江戸時代には,将軍の直属家臣である大名・旗本・御家人のうち,旗本は知行高1万石以下で将軍に謁見できる御目見(おめみえ)以上の格式の者を称した。旗本と御目見以下の家臣である御家人とを総称して直参(じきさん)または幕臣といった。ただし,同じく1万石以下の直臣ではあるが,名家の子孫で幕府の儀礼をつかさどる高家(こうけ)と参勤交代の義務をもつ交代寄合は別格であり,老中支配に属した。…
※「直参」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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