相の間(読み)あいのま

精選版 日本国語大辞典 「相の間」の意味・読み・例文・類語

あい‐の‐まあひ‥【相間・合間】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 主要な部屋の間にあってつなぎの役目などをする部屋。
  3. 社寺建築拝殿本殿礼堂祠堂(しどう)との間の部屋。権現造りなどに見られる。
  4. 柱間寸法が京間(きょうま)田舎間(いなかま)との中間の広さの間。中京間
  5. 物事と物事との間。また、仕事がなく暇な時。間(あい)
    1. [初出の実例]「ブーブー風琴をやり出し、其の合の間には、此処から飛んだら愛して呉れるかと繰り返すもの」(出典:ブルジョア(1930)〈芹沢光治良〉三)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「相の間」の意味・わかりやすい解説

相の間
あいのま

2つの部屋の間の空間をさす。神社建築では本殿と拝殿の間をいい,特に八幡造の前殿と後殿の間や権現造の本殿と拝殿の間の空間をさす。権現造の社殿では本殿と拝殿の間を一段低くして床を張り,土間あるいは石敷きとしたために石の間とも称された。北野神社は慶長 12 (1607) 年の再建であるが,記録により平安時代末期には石の間が存在していたことが知られている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の相の間の言及

【神社建築】より


[八幡造]
 住吉造と並ぶ二室神殿として宇佐神宮本殿を代表とする八幡造がある(図6)。外観を見ると2棟の切妻造平入りの建物が前後に接続した形であるが,両殿の中間を相の間として建物のなかに取りこみ,相の間を前殿と一体として扱うので内部は連続する2室となる。平安初期に宇佐八幡を勧請して創立した京都の石清水(いわしみず)八幡宮も同じ形式であるが,相の間の床が低く張ってある点がかえって宇佐よりも古風であって,古くはこの部分が土間であった。…

※「相の間」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android