真壁郷(読み)まかべごう

日本歴史地名大系 「真壁郷」の解説

真壁郷
まかべごう

和名抄」東急本に「万加倍」の訓がある。郷域は現総社市真壁を中心とした地域と推定されている。もとは白髪部しらがべ郷であったが、宝亀元年(七七〇)の光仁天皇即位後、その諱白壁王を避けて真壁郷と改称した。天平一一年(七三九)備中国大税負死亡人帳(正倉院文書)に白髪部郷川辺里の戸物部赤猪が一三四束、物部田人が一四二束、戸主爾麻部宇弖の戸口大坂麻呂が二束、戸主白髪部首智麻呂の戸口白髪部紲売が六束、戸主白髪部波伎自が二〇束の大税を負って死亡したとある。


真壁郷
まかべごう

「和名抄」高山寺本に「真」と記し訓を欠く。東急本には「真壁」と記され「萬加倍」と訓じている。現北橘きたたちばな村の真壁を遺名とみる。「古事記」や「日本書紀」によると五世紀に諸国に白髪部が置かれ、のちに真髪部に改めたという。この真髪が真壁に変化したものと思われ、この地に白髪部・真髪部の子代・名代の民が集住したことから名付けられた郷名とみられる。


真壁郷
まかべごう

「和名抄」東急本・高山寺本ともに訓を欠く。河内かわち郡内にも同名の郷がある。真壁は清寧天皇の名を付して設置された名代の白髪部しらかべ起源を有し、延暦四年(七八五)光仁天皇の諱を避けるために真髪部まかべと改称され、のちに真壁と表記されるようになったもので、「和名抄」には下野のほか駿河・常陸上野・備中に真壁郷が記されている。


真壁郷
まかべごう

「和名抄」東急本・高山寺本ともに訓を欠く。同書の常陸国真壁郡には「万加倍」の訓が付されており、これに準じて訓じておく。真壁は五世紀に清寧天皇の名を付して設置された名代の部で、白髪部しらかべと称されていたが、延暦四年(七八五)に光仁天皇の諱を避けるため真髪部まかべと改められ、のちに真壁と表記されるようになったもので、「和名抄」には下野のほか駿河・常陸・上野・備中に真壁郷がみえる。


真壁郷
まかべごう

「和名抄」諸本にみえる郷名。高山寺本に「末加倍」、東急本に「万加倍」の訓がある。比定地は現静岡市曲金まがりかね付近とする説(駿国雑志)、現岡部おかべ町岡部付近とする説(旧版「静岡県史」)などがあるが未詳


真壁郷
まかべごう

「和名抄」高山寺本・東急本・刊本に「真壁」と記され、ともに訓を欠く。「新編常陸国誌」に「今ノ古城、町屋ノ二村モト真壁ト称ス、近世分レテ二村トナル(中略)然レドモ国人尚旧名ヲ忘レズ、今ニ真壁ト称ス」とあり、現真壁郡真壁町真壁・古城ふるしろ一帯に比定する。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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