六訂版 家庭医学大全科 「眼が疲れやすい」の解説
眼が疲れやすい
めがつかれやすい
Eyestrain
(お年寄りの病気)
どのような状態か
眼が疲れると、眼そのものの痛み、眼が重たい感じ、眼のまわりの痛み、頭が重たいなどの症状が現れます。通常は感じることのない眼の存在感を自覚します。午前中は比較的症状が軽く、眼を酷使したあとや午後に症状が出やすい傾向があります。
必要な検査と疑われる病気
眼が疲れやすい原因として最も考えられるのが、
●老眼
加齢により、ピント(眼の焦点)の調節能力が弱まっているのに、焦点を合わせて見ようとするために、強い
治療は、適正な眼鏡をかけて矯正します。また、強い眼精疲労の場合には、薬物療法としてビタミンB1やB12の内服、ビタミンB12の点眼を行い、残存する調節力を助けることもあります。また、初老期の場合には0.01%ピロカルピンの点眼を行うこともあります。
ドライアイが原因で眼が疲れることもあります。加齢とともに、涙が出る
また、涙液の蒸発を防いでいるマイボーム腺から分泌される脂質や、結膜杯細胞から分泌されるムチンなども減少します。涙液の分泌量は正常でも、結膜
ドライアイの診断は、シルマー試験などの涙液の分泌量を調べる検査で行います。治療は人工涙液の点眼をして、眼に涙液の代替物を補給します。
眼の疲れは、眼圧の上昇(
家庭での対処のしかた
眼が疲れたと自覚した時には、眼を休めることが重要です。読書などは休止して、外に出て遠くのほうをながめてください。眼の疲れが持続するような場合は、眼科を受診して、老眼や緑内障の有無を調べることが重要です。
沼賀 二郎, 村田 博史
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報