六訂版 家庭医学大全科 「眼瞼腫瘍」の解説
眼瞼腫瘍
がんけんしゅよう
Eyelid tumor
(眼の病気)
どんな病気か
まぶたにできる
原因は何か
腫瘍とは、もともと人体を構成していた無数の細胞のうちの通常1個が制御を失い、無秩序に増殖していくもので、真性腫瘍とも呼ばれます。真性腫瘍は1個の細胞が増殖したものであるため、普通は単一の腫瘍組織からなります。
真性腫瘍には、良性腫瘍と悪性腫瘍があります。悪性腫瘍はがん(または
症状の現れ方
皮膚にできれば、直接見えるので容易にわかります。皮膚表面の良性腫瘍で色の目立つものには
このほか、
悪性腫瘍では、皮膚表面には基底細胞(きていさいぼう)がんがよくみられます(図10)。少し盛り上がり、なかがただれてじくじくした感じになります。これは悪性腫瘍としてはめずらしく転移しません。このほか、皮膚表面には、非常にまれに
まぶた内部の腫瘤としては
検査と診断
外見からかなりの正確さで診断できますが、決定的には腫瘍組織を顕微鏡で調べて診断します(病理組織診)。悪性であれば転移の有無などを調べます。
治療の方法
良性腫瘍は全摘出し、採取した組織は必ず病理組織診を行います。悪性ならば、腫瘍より大きめに切除摘出し、腫瘍が完全に取れたことを病理組織診で確認します。転移があれば、化学療法や放射線療法が必要です。
まぶたの腫瘍の場合、大きく切除した場合はまぶたの機能的、美容的な再建術が必要になります。
病気に気づいたらどうする
早めに専門医を受診してください。
森 秀夫
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報