デジタル大辞泉
「知らす」の意味・読み・例文・類語
しら◦す【知らす/▽領らす】
[連語]《動詞「し(知)る」の未然形+上代の尊敬の助動詞「す」》「知る」の尊敬語。お治めになる。統治なさる。ご支配になる。
「皇祖の神の命の御代重ね天の日継と―◦し来る君の御代御代」〈万・四〇九四〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
Sponserd by 
しら‐・す【知・領】
- [ 1 ] 〘 他動詞 サ行下二段活用 〙 ⇒しらせる(知)
- [ 2 ] 〘 他動詞 サ行五(四) 〙 ( 「しらせる(知)」が四段活用化したもの )
- ① =しらせる(知)[ 一 ]①
- [初出の実例]「虫がしらして女房も若(もし)や娘の肘かと」(出典:浄瑠璃・源平布引滝(1749)三)
- ② 特に、茶屋や揚屋が、置屋に客のあることを知らせる。また、芸娼妓を客の座敷へ呼ぶ。
- [初出の実例]「申し、哥夕さんへしらすぞへ」(出典:洒落本・月花余情(1746))
- ③ =しらせる(知)[ 一 ]③
- [初出の実例]「王女にこの国をしらし、おのれ国相となりて威勢をふるはんと計校(もくろみ)」(出典:読本・椿説弓張月(1807‐11)続)
しら‐・す【知す・領す】
- 〘 連語 〙 ( 動詞「しる(知)」に上代の尊敬の助動詞「す」の付いたもの ) 「しる(知)」の尊敬語。
- ① お治めになる。御支配になる。御統治になる。領有なさる。しらしめす。しろしめす。
- [初出の実例]「纏向(まきむく)の玉城(たまき)の宮に御宇(あめのしたシラシし)天皇の世(みよ)に」(出典:日本書紀(720)仁徳即位前(前田本訓))
- 「天皇(すめろき)の 神の命(みこと)の 御代重ね 天の日嗣と 之良志(シラシ)来る 君の御代御代」(出典:万葉集(8C後)一八・四〇九四)
- ② 許容なさる。お認めになる。
- ③ ( 転じて、敬意がなくなったものか ) 支配する。自由にする。
- [初出の実例]「昔、我餓死せに、財宝を得、万事を知らす事非(あら)じ」(出典:今昔物語集(1120頃か)三)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
Sponserd by 