石油エーテル(読み)セキユエーテル(その他表記)petroleum ether

デジタル大辞泉 「石油エーテル」の意味・読み・例文・類語

せきゆ‐エーテル【石油エーテル】

工業用ガソリン一種石油を蒸留して、沸点セ氏30~60度で得られる引火しやすい無色液体ヘキサンなどを主成分とし、エーテルによく溶ける。溶剤に用いる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「石油エーテル」の意味・読み・例文・類語

せきゆ‐エーテル【石油エーテル】

  1. 〘 名詞 〙 ( エーテルは[オランダ語] ether ) 沸点が三〇~七〇度程度の石油留分有機化学実験で、溶剤などに利用する。エーテルとは沸点が似ているだけで化学的にはまったく関係がない。〔稿本化学語彙(1900)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「石油エーテル」の意味・わかりやすい解説

石油エーテル (せきゆエーテル)
petroleum ether

工業ガソリンの一種。比較的低沸点(30~70℃)の揮発しやすい石油留分(ペンタンC5H12およびヘキサンC6H14)からなり,溶剤,しみ抜きなどの目的で用いられる。化学でいうエーテル類(たとえばジメチルエーテルCH3OCH3)とはまったく異なるものであることに注意
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「石油エーテル」の意味・わかりやすい解説

石油エーテル
せきゆえーてる
petroleum ether

沸点約30~70℃の無色透明石油製品で、工業ガソリンの一種。石油系天然ガスに含まれる液状成分の回収天然ガソリン)や、軽質ナフサ蒸留精製で得られる。おもにペンタンおよびヘキサンよりなり、試薬として実験室用溶剤に用いられる。広義にはベンジン中の最低沸点製品に該当する。

[原 伸宜]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 「石油エーテル」の解説

石油エーテル
セキユエーテル
petroleum ether

沸点約30~70 ℃ の石油製品で,石油系天然ガスに含まれる液状分の回収やナフサの蒸留精製で得られる.おもにペンタンおよびヘキサンからなり,実験室用溶剤に用いられる.広義には,ベンジン中の最低沸点製品に該当する.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

百科事典マイペディア 「石油エーテル」の意味・わかりやすい解説

石油エーテル【せきゆエーテル】

沸点30〜70℃の石油留分で,主としてペンタンC5H12およびヘキサンC6H14からなる。化学名でいうエーテル類ではないので注意。発火しやすい。比重0.66〜0.68。溶剤として使用

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

栄養・生化学辞典 「石油エーテル」の解説

石油エーテル

 石油の留分のうち,比較的沸点の低い(27〜67℃)部分で,主にペンタンやヘキサンなどの飽和炭化水素からなる混合物.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android