ペンタン(読み)ぺんたんでーたのーと(英語表記)pentane

翻訳|pentane

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ペンタン」の意味・わかりやすい解説

ペンタン(データノート)
ぺんたんでーたのーと

ペンタン
n-ペンタン
 化学式 CH3(CH2)3CH3
 分子量 72.1
 融点  -131℃
 沸点  36.07℃
 比重  0.62624(測定温度20℃)
 屈折率 (n)1.35768(20℃)
 溶解度 0.36g/dm3(水16℃)
 引火点 -40℃以下

イソペンタン2-メチルブタン
 化学式 CH3CH(CH3)CH2CH3
 分子量 72.1
 融点  -159.900℃
 沸点  27.852℃
 比重  0.62007(測定温度20℃)
 屈折率 (n)1.3579

ネオペンタン2,2-ジメチルプロパン
 化学式 C(CH3)4
 分子量 72.1
 融点  -16.55℃
 沸点  9.503℃
 比重  0.613(測定温度0℃)
 屈折率 ―


ペンタン
ぺんたん
pentane

アルカンに属する炭素5個の炭化水素総称n-ペンタン、イソペンタン(2-メチルブタン)、ネオペンタン(2,2-ジメチルプロパン)の3種の異性体が知られているが、普通、ペンタンというと直鎖状ペンタン、すなわちn-ペンタンをさす。n-ペンタンは石油天然ガス中に含まれる。石油エーテルの主成分である。ガソリンに似たにおいをもつ可燃性液体で爆発限界は1.4~8.0%(空気中)。自動発火点は309℃。アルコール、エーテルにも溶ける。濃い蒸気は麻酔性を示す。マウスに対する致死量は12万8200ppmである。抽出溶剤、麻酔剤などに用いられる。イソペンタン、ネオペンタンは非常に気化しやすい液体で、ほとんど無臭である。

[佐藤武雄・廣田 穰 2016年2月17日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ペンタン」の意味・わかりやすい解説

ペンタン
pentane

化学式 C5H12 。1分子中の炭素原子数5個のメタン系炭化水素の総称。3種の異性体,n-ペンタン (沸点 36.074℃) ,イソペンタン (30~30.2℃/747mmHg) ,ネオペンタン (9.503℃) が存在する。 n-ペンタンは直鎖状の飽和炭化水素で,天然ガスや石油中に存在しており,これらから分離される。比重 0.626 (20℃) の軽い無色の液体。市販の石油エーテル中に含まれる。アミルアルコールの製造原料である。またガソリンエンジンの始動を容易にするため,特に寒冷地用ガソリンに添加することがある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

マイナ保険証

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...

マイナ保険証の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android