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硫化アンチモン りゅうかアンチモン antimony sulfide

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

硫化アンチモン
りゅうかアンチモン
antimony sulfide

(1) 硫化アンチモン (III) ,三硫化アンチモン  Sb2S3 。針状アンチモンともいわれ,輝安鉱として天然に産する。灰色の光沢ある結晶性の塊状物質,あるいは灰黒色の粉末であるが,赤色の変種 (不安定型) もある。

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世界大百科事典 第2版の解説

りゅうかアンチモン【硫化アンチモン antimony sulfide】

アンチモンと硫黄の化合物で,アンチモンの酸化数IIIとVの化合物が知られている。
三硫化二アンチモン
 化学式Sb2S3。天然に輝安鉱として産出する。アンチモンと硫黄を石英封管10-3~10-4mmHgの真空中で熱して融解させ,600~700℃で10~12時間熱してから徐冷すると暗灰色安定型の結晶として得られる。比重4.64。アンチモン(III)を含む溶液に硫化水素を通ずると橙赤色無定形の沈殿が得られる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

硫化アンチモン
りゅうかあんちもん
antimony sulfide

アンチモンと硫黄(いおう)の化合物。3価と5価のものが知られる。
(1)硫化アンチモン() 化学式Sb2S3、式量339.7。天然に輝安鉱として産する。融点550℃、沸点約1150℃。比重4.64。金属アンチモンと硫黄を融解すると安定型の結晶が得られる。アンチモン()化合物の塩酸溶液に硫化水素を通すと無定形不安定型の赤色沈殿が得られる。不安定型を二酸化炭素気流中で200℃に熱すると安定型の黒色斜方結晶(輝安鉱として産出、比重4.64)に変わる。無定形の赤色粉末は融点546~554℃。比重4.15。感光性があり、半導体の材料となる。空気中で熱すると酸化アンチモン()になる。水に不溶。濃塩酸に溶ける。硫化アルカリ溶液に溶けてチオ亜アンチモン酸塩MI3SbS3となる。硫黄とともに水酸化アルカリ溶液と熱するとチオアンチモン酸塩MI3SbS4を生じて溶ける。チオ酸塩の溶液を酸性にすると硫化物が沈殿する。マッチの製造に用いられる。
(2)硫化アンチモン() 化学式Sb2S5、式量403.8。75℃で硫黄と硫化アンチモン()に分解する。五価アンチモンの濃塩酸溶液に硫化水素を通して得られる。橙赤(とうせき)色の非晶質粉末。硫化アルカリ溶液でチオアンチモン酸塩となって溶ける。
(3)ほかに四硫化二アンチモンSb2S4があるとされているが、これは酸化アンチモン()の塩酸溶液に硫化水素を通じると得られる黄赤色粉末。硫化アンチモン()と硫化アンチモン()の混合物と考えられている。[守永健一・中原勝儼]

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