社会主義インターナショナル(読み)しゃかいしゅぎいんたーなしょなる

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

社会主義インターナショナル
しゃかいしゅぎいんたーなしょなる

1951年7月、コミスコのフランクフルト・アム・マイン大会で、これを発展的に解消して設立された、社会民主主義政党の国際組織。第一次世界大戦前の第二インターナショナル、戦間期における社会主義労働者インターナショナルの流れを引き、国際共産主義運動と対抗した。2004年の正会員は89か国107政党で、日本からはかつて日本社会党民社党が参加していたが、2004年現在では社会民主党が加盟している。イギリス労働党、ドイツ社会民主党、フランス社会党などが主要なメンバーで、資本主義改良と福祉国家建設の立場をとる。76年ジュネーブ大会で新規約を採択、77年12月には東京で首脳会議が開かれた。1989年、社会民主主義を「自由、社会的な公正、連帯を目ざす国際的運動」と規定した社会主義インターナショナルの基本宣言(ストックホルム宣言)を採択。第二次世界大戦後、ヨーロッパの社会民主主義政党の多くが政権に参加し、1989年の東欧革命、91年ソ連解体による国際共産主義運動の解体で、現代の社会主義の主流となった。

[加藤哲郎]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

社会主義インターナショナル
しゃかいしゅぎインターナショナル
Socialist International

社会民主主義政党の国際組織。コミンフォルムに対抗して組織されたコミスコが,1951年7月西ドイツのフランクフルトアムマインで開かれた第4回大会で発展的に解消し,ただちに結成された。第1次世界大戦勃発に際して消滅した第2インターナショナルの系譜をひく。イギリス労働党,フランス社会党,ドイツ社会民主党,オーストリア社会党,イタリア社会民主党など西・北欧の社会民主主義政党を中心に,アジアのいくつかの社会党,東欧などの亡命社会民主主義諸政党など合計 50あまりの党を結集し,近年の東欧諸国の自由化を支援するなど,共産主義と区別した西欧型社会主義を推進する活動を行なってきた。日本からは,社会党と民社党が加盟。 51年7月の第1回大会で,「民主社会主義の目的と任務」と題するフランクフルト宣言を採択,資本主義と共産主義の双方と対決する方針を打出したが,ソ連圏と対決することに重点をおき,再軍備の負担に耐えるよう労働者に呼びかけた。植民地主義反対の問題をめぐりヨーロッパとアジア=アフリカ諸国の党の対立をはらむなど問題も多い。 62年にオスロ宣言を採択。その後も定期的に国際会議を開催しているが,冷戦体制の崩壊後は,それまでの国際共産主義運動との対決色が消え,資本主義体制の改良に力点を置いた方向性が定着している。本部はロンドンにあり,大会 (2年に1回) ,理事会,幹事会,事務局の機関をもつ。

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