コミスコ(読み)こみすこ(英語表記)COMISCO

日本大百科全書(ニッポニカ) 「コミスコ」の意味・わかりやすい解説

コミスコ
こみすこ
COMISCO

国際社会主義者会議委員会 Committee of the International Socialist Conference の略称共産主義政党のコミンフォルムに対抗してつくられた社会民主主義政党の国際組織で、今日の社会主義インターナショナルの前身。第二次世界大戦前の各国社会民主主義政党の国際組織であった社会主義労働者インターナショナル(第一次大戦前の名称である第二インターナショナルを通称とし、共産主義政党のコミンテルンと対抗した)が第二次大戦で崩壊したため、戦後の1946年5月、イギリス労働党の提唱で、19か国の社会民主主義政党代表が社会主義情報連絡局を設置し、翌47年11月、共産主義政党のコミンフォルム結成に対抗して、コミスコを結成した(書記局ロンドン)。コミスコには当初東欧諸国の社会民主主義政党も参加していたが、冷戦下の反共色の強まりのなかで脱退していった。51年7月、フランクフルト・アム・マイン総会で社会主義インターナショナルへと発展的に解消された。

[加藤哲郎]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コミスコ」の意味・わかりやすい解説

コミスコ
COMISCO; Committee of the International Socialist Conference

国際社会主義者会議委員会の略称。 1947年イギリス労働党の主導のもとに成立した社会民主主義政党の国際連絡機関。本部はロンドン。 46年イギリスのクラクトンでイギリス労働党の主唱により,19ヵ国の社会主義政党の代表が集り,社会主義情報局を設置した。これがコミスコの前身で,社会主義に関する情報の交換を行なっていたが,47年コミンフォルムが結成されると,共産主義に対抗するため,コミスコが結成された。理論的には大衆的労働運動と社会主義政党の強化を重視する第2インターナショナルの系列に位置する。反資本主義であると同時に,議会政治を通じて社会主義社会を民主的に樹立することを目指し,共産主義とは明確な一線を画した。その体質を反映して 48年には容共路線を理由としてイタリア社会党を委員会から除名している。 51年7月の第8回大会で「民主的社会主義の目的と任務」と題したいわゆるフランクフルト宣言を発表し,社会主義インターナショナルへと発展的に解消した。現在の綱領は 1989年6月の第 18回大会で採択された「社会主義インターナショナルの原則に関する宣言」 (ストックホルム宣言) で,社会主義インターは非マルクス・レーニン主義という民主社会主義立場をとっており,日本では社会民主党が加盟している。

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