神童寺(読み)じんどうじ

精選版 日本国語大辞典 「神童寺」の意味・読み・例文・類語

じんどう‐じ【神童寺】

  1. 京都府相楽郡山城町にある真言宗智山派の寺。山号は北吉野山。聖徳太子創建で観世音教寺と称した。のち役小角(えんのおづの)金剛蔵王を感得して神童教護国寺と改称泰澄行基良弁(ろうべん)なども修行したと伝えられる。現在の本堂蔵王堂)は応永一三年(一四〇六)の再建

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日本歴史地名大系 「神童寺」の解説

神童寺
じんどうじ

[現在地名]山城町神童子 不晴谷

伊賀街道に面する。北吉野山と号し、真言宗智山派。寺号は金剛蔵こんごうぞう院とも号し、本尊蔵王権現。江戸期に筆写したとみられるが、大永二年(一五二二)八月二八日の奥書のある山城国相楽郡上狛郷北吉野山神童寺縁起(寺蔵)によれば推古天皇四年聖徳太子が創立し、白鳳四年役小角が来山し修行を続けたところ、神童と化した勝手かつて子守こもり金精こんせい三神が現れ、小角は童子に助けられて蔵王権現をつくり本尊とし、寺号を神童教護国寺とした。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「神童寺」の意味・わかりやすい解説

神童寺
じんどうじ

京都府木津川(きづがわ)市山城町神童寺(やましろちょうじんどうじ)にある真言(しんごん)宗智山(ちさん)派の寺。北吉野山(きたよしのさん)金剛蔵院(こんごうぞういん)と号する。本尊は蔵王権現(ざおうごんげん)。聖徳太子の創建と伝えられ、のち役行者(えんのぎょうじゃ)がきて金剛蔵王(ざおう)を感得して本尊とし神童教護国寺と称した。平安初期には興福寺の願安(がんあん)が再興して法相(ほっそう)・真言兼学の寺とした。治承(じしょう)年間(1177~1181)焼失し、のち源頼朝(よりとも)が再建したが、1331年(元弘1)兵火にかかり、1406年(応永13)ふたたび建立された。現本堂(権現堂、国重要文化財)はそのときのものである。寺宝に、愛染明王坐像(あいぜんみょうおうざぞう)、不動明王立像、阿弥陀如来(あみだにょらい)坐像、毘沙門天(びしゃもんてん)像(いずれも国重要文化財)など平安後期の彫刻がある。

[勝又俊教]


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