神饌や天皇の食饌に供する魚類の漁獲や遊猟のために,一般の漁獲を禁じた河川。供御江(くごえ)ともいい,同様のもので禁制の対象が海の場合は禁海という。日本古代の山野河海は〈公私共利〉の原則であったが,7世紀後半以降この原則を法的に確立していく際に,禁野とともに江河池沼の一部を囲い込み,他の民業を妨げない範囲で,贄(にえ)としての魚類を漁獲する禁河・禁海が設置された。689年(持統3)に河内国大鳥郡高脚海にならって設置された摂津国武庫海1000歩などはその早い例である。9世紀に入ると供御江の変更や新設が盛んに行われ,一部は御厨(みくりや)として編成されていったが,しだいに用水権や交通権の妨害などが禁制にもかかわらず増加し,排他的占有の傾向を強めていった。10世紀に入ると《西宮記》に皇室領禁河として夏にアユを貢ずる埴河(上桂川)・葛野(かどの)河(下桂川)の2所がみえ,左右衛門府が検校しているが,衛府は後に四衛府狩取として贄採取に活躍した。
→禁野
執筆者:勝浦 令子
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
米テスラと低価格EVでシェアを広げる中国大手、比亜迪(BYD)が激しいトップ争いを繰り広げている。英調査会社グローバルデータによると、2023年の世界販売台数は約978万7千台。ガソリン車などを含む...
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加