ふくちこう
福地鉱
fukuchilite
秋田県の黒鉱鉱床(花輪鉱山本山鉱床)から1969年に発見された鉱石硫化鉱物。原記載組成はCu3FeS8であったが,その後の研究によりCuS2-FeS2系固溶体鉱物であることが明らかとなった。(Cu, Fe)S2(Cu/Fe原子比1~3の範囲で組成ゾーニングを示す),立方晶系黄鉄鉱型構造,空間群,格子定数a0.558~0.560nm,単位格子中4分子含む。反射顕微鏡的性質は斑銅鉱に似る。帯桃褐色(空気系)~帯紫褐色(油浸系)。反射能および研磨硬度は黄鉄鉱よりわずかに低く,反射多色性および十字ニコル下の異方性はともに認められない。重晶石を含む石膏-硬石膏鉱石中に暗褐色の散点状微小硫化物塊として産する。球粒状および半自形の超微小黄鉄鉱粒子の間隙を充塡し,しばしばコベリンを伴う。鉱床地質学者,福地信世にちなみ命名。CuS2-FeS2系の合成実験によれば,高圧下(6.5~8.9GPa)ではCu3FeS8組成の黄鉄鉱型安定相が出現するが,熱水条件下(275℃以下)ではCu/Fe原子比0~4の範囲の準安定連続固溶体を形成する。参考文献:島崎英彦(1974) 鉱物雑,11巻
執筆者:梶原 良道
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報
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福地鉱
ふくちこう
fukuchilite
黄鉄鉱系に属する硫化鉱物。1969年(昭和44)梶原良道(かじわらよしみち)(1940― )によって、秋田県鹿角(かづの)市花輪(はなわ)鉱山(閉山)からの新鉱物として記載された。比較的低温条件下での生成物と考えられている。自形未報告。花輪鉱山の黒鉱鉱床産の石膏(せっこう)鉱中に微細な黄鉄鉱結晶と粒状の集合をなしていた。共存鉱物は黄鉄鉱、銅藍(どうらん)、石膏、硬石膏、重晶石。命名は黒鉱鉱床の研究を行った鉱物学者である福地信世(ふくちのぶよ)(1877―1934)にちなむ。
[加藤 昭]
福地鉱(データノート)
ふくちこうでーたのーと
福地鉱
英名 fukuchilite
化学式 Cu3FeS8
少量成分 無
結晶系 等軸
硬度 ~4
比重 4.90
色 暗褐灰
光沢 亜金属
条痕 暗褐灰
劈開 無
(「劈開」の項目を参照)
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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