福地鉱(読み)ふくちこう(その他表記)fukuchilite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「福地鉱」の意味・わかりやすい解説

福地鉱
ふくちこう
fukuchilite

黄鉄鉱系に属する硫化鉱物。1969年(昭和44)梶原良道(かじわらよしみち)(1940― )によって、秋田県鹿角(かづの)市花輪(はなわ)鉱山閉山)からの新鉱物として記載された。比較的低温条件下での生成物と考えられている。自形未報告。花輪鉱山の黒鉱鉱床産の石膏(せっこう)鉱中に微細な黄鉄鉱結晶と粒状の集合をなしていた。共存鉱物は黄鉄鉱、銅藍(どうらん)、石膏、硬石膏重晶石命名は黒鉱鉱床の研究を行った鉱物学者である福地信世(ふくちのぶよ)(1877―1934)にちなむ。

加藤 昭]


福地鉱(データノート)
ふくちこうでーたのーと

福地鉱
 英名    fukuchilite
 化学式   Cu3FeS8
 少量成分  無
 結晶系   等軸
 硬度    ~4
 比重    4.90
 色     暗褐灰
 光沢    亜金属
 条痕    暗褐灰
 劈開    無
       (「劈開」の項目参照

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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