銅藍(読み)どうらん(英語表記)covellite

精選版 日本国語大辞典 「銅藍」の意味・読み・例文・類語

どう‐らん【銅藍】

〘名〙 硫化銅よりなる鉱物鉱床酸化帯に見いだされる。〔鉱物字彙(1890)〕

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デジタル大辞泉 「銅藍」の意味・読み・例文・類語

どう‐らん【銅藍】

硫化銅からなる鉱物。濃藍青色で、板状または塊状六方晶系コベリン

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「銅藍」の意味・わかりやすい解説

銅藍
どうらん
covellite

銅の鉱石鉱物の一つ。地表付近での銅鉱物の酸化による二次生成の産物として産し、またある種の熱水鉱脈鉱床、黒鉱鉱床中にみられるほか、火山昇華物としても産する。日本では、山梨県北杜(ほくと)市須玉(すたま)町小尾(おび)鉱山増富(ますとみ)鉱山。閉山)で六角板状の自形結晶として産し、秋田県小坂(こさか)町小坂鉱山(閉山)も有名な産地である。英名は、イタリアの鉱物学者コベッリNicola Covelli(1790―1829)にちなむ。

加藤 昭 2018年5月21日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「銅藍」の意味・わかりやすい解説

銅藍
どうらん
covelline; covellite

硫化銅(II)CuS からなる硫化鉱物。コベリンとも呼ぶ。藍青色で,金属光沢をもち,玉虫色に輝いて見えることもある。条痕は灰黒色。硬度 1.5~2,比重 4.7。六方晶系劈開は{0001}に完全。薄いシート状にはがれる。熱水鉱床,火山噴気孔の昇華鉱物(→昇華鉱床)などで 1次鉱物として見られるが,黄銅鉱輝銅鉱硫ヒ銅鉱など硫化鉱物の 2次鉱物としてその表面を覆っている場合が多い。コベリンの名称は最初に記述したイタリアの鉱物学者ニコラ・コベリにちなむ。

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