改訂新版 世界大百科事典 「積水ハウス」の意味・わかりやすい解説
積水ハウス[株] (せきすいハウス)
プレハブ住宅業界のトップ企業。前身は,プラスチックの総合会社,積水化学工業(1947設立)のハウス事業部で,1960年8月に積水ハウス産業(株)として独立,設立された(1957年積水化学がオールプラスチック製住宅開発の方針を打ち出し,60年に完成し,その販売のため同年3月に設けられたのがハウス事業部である)。当初は苦難期が続いたが,63年,積水化学専務の田鍋健が社長に就任し,社名を現在の積水ハウス(株)に変更し,積水化学工業からの出向社員をすべて移籍させて名実ともに独立した会社にするなど,大幅な改革を実施した。とくに,業界では代理店・直販併用が多いなかで,同社が打ち出した直接契約・責任施工と呼ばれる直販方式は,昭和40年代の住宅建築ブームにも支えられ,同社の飛躍的な成長の要因となった。売上高の約80%が住宅,20%が宅地販売で,鉄骨系プレハブ住宅専業から,諸種の工法住宅やマンションなど都市開発まで手がける総合住宅メーカーへ脱皮しつつある。なお積水化学工業は現在,ユニット型住宅(1971発売)のトップ・メーカーであるとともに,積水ハウスの筆頭株主である。積水ハウスは資本金1866億円(2006年1月),売上高1兆5019億円(2006年1月期)。
執筆者:中山 裕登
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報