翻訳|aerodynamics
流体力学の一分野で、物体が空気またはそのほかの気体の中を運動するとき、その物体の周囲の気体の流れや、それらの気体が物体に及ぼす力の状態を研究する学問。扱う気体はかならずしも空気とは限らないので、正しくは気体力学であるが、空気以外の気体を対象とする場合がごく少ないことや、理論の応用が容易なので、ほかの気体をあわせて空気力学と総称している。空気力学が対象としている空気は、まず粘性も圧縮性もない、いわゆる完全流体として扱われ、次に粘性のみを考慮し、さらに圧縮性を取り入れ、最後に両者をともに取り入れて研究されているが、風洞施設および計算技術、コンピュータの発達によって、この理論は近年著しい発展を遂げている。
[落合一夫]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…流体や気体のように自由に変形する物質を固体と対比して流体というが,流体が流れるときの圧力変化や周囲の物体に及ぼす力を調べる学問は,水力学,流体力学,空気力学,レオロジーなど,さまざまな名まえで呼ばれる。このうち,空気力学aerodynamicsは高速の気体の流れを,レオロジーはコロイドや高分子のように複雑な構造をもつ液体の流れを主として取り扱い,独立した分野を形づくっている。…
※「空気力学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」