突上げる（読み）ツキアゲル

デジタル大辞泉

つき‐あ・げる【突（き）上げる／^▽衝き上げる】

［動ガ下一］［文］つきあ・ぐ［ガ下二］
１ 下から突いて上の方にあげる。突いて押し上げる。「こぶしを天に―・げる」
２ 下位の者が上位の者に、自分の考えなどを通そうとして圧力を加える。「執行部を―・げる」
３ 感情などが激しくわいて出る。「悲しみが胸を―・げる」
[類語]上げる・持ち上げる・引き上げる・押し上げる・差し上げる・振り上げる・吊り上げる・打ち上げる・放り上げる・吹き上げる・吸い上げる・巻き上げる・揺り上げる・もたげる

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

つき‐あ・げる【突上・築上】

1. [ 1 ] 〘 他動詞 ガ下一段活用 〙
   [ 文語形 ]つきあ・ぐ 〘 他動詞 ガ下二段活用 〙
   1. [ 一 ] ( 突上 )
      1. ① 下の方から突いて上の方に上げる。突いて押し上げる。
         1. [初出の実例]「摂政叙_二一位_一、即拝賀云々、是被_二突上_一」(出典：玉葉和歌集‐仁安二年（1167）二月一一日)
         2. 「枕にちかき窓蓋をつきあけ」(出典：浮世草子・好色五人女（1686）二)
         3. 「握り拳を〈略〉天井に向けて突きあげた」(出典：吾輩は猫である（1905‐06）〈夏目漱石〉一〇)
      2. ② 下位の者が自分の考えなどを通そうとして上位の者に圧力をかける。
   2. [ 二 ] ( 築上 ) 土や石などを積んで構造物をつくる。きずきあげる。
      1. [初出の実例]「咸陽宮と申は〈略〉内裏をは地上三里高ふ築(ツキ)あけてそ建たりける」(出典：屋代本平家（１３Ｃ前）五)
      2. 「しゃちほこ天にひれふりてせきるい高くつき上たり」(出典：浄瑠璃・国性爺合戦（1715）三)
2. [ 2 ] 〘 自動詞 ガ下一段活用 〙 吐き気や押えきれない感情が胸一杯になる。こみ上げる。
   1. [初出の実例]「何と無く悲が亢進(ツキアゲ)る」(出典：多情多恨（1896）〈尾崎紅葉〉後)

出典　精選版 日本国語大辞典