築上(読み)ちくじょう

改訂新版 世界大百科事典 「築上」の意味・わかりやすい解説

築上[町] (ちくじょう)

福岡県北東部,築上郡の町。2006年1月椎田(しいだ)町と築城(ついき)町が合体して成立した。人口1万9544(2010)。

築上町東部の旧町で,周防灘に臨む。築上郡所属。人口1万1737(2005)。地形は南端の国見山を分水嶺として北に開け,国見山を源とする岩丸川など4河川が北流,川沿いの谷底平野に農耕地が分布する。城井(きい)川河口の椎田は,鎌倉時代以来郡の政治・経済の中心となり,近世海運の基地,また豊前街道宿場町として発達した。日豊本線開通後は近隣の行橋市,豊前市へ交通の要衝としての機能が移った。米作を主とする農業が主産業で,野菜栽培も盛んであるが,近年北九州市への通勤者も増加している。豊前海岸には菅原道真とゆかりの深い綱敷天満宮(浜宮)があり,梅の名所として知られる。

築上町西部の旧町。築上郡所属。人口9100(2005)。北は行橋市に接する。英彦(ひこ)山から山脚が北にのび,その間を北流する城井(きい)川沿いに細長い谷底平野があり,下流にはやや広い扇状地平野が開ける。農業が主産業で,米作のほかレタス,イチゴなどの野菜栽培が行われ,山間部ではユズ,梨などの生産が盛ん。耶馬日田英彦山国定公園に属する南東端の求菩提(くぼて)山は修験道場として知られ,山麓の寒田(さわだ)には中世宇都宮氏が拠った城井城跡がある。また航空自衛隊築城基地がある。JR日豊本線,国道10号線が通じる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「築上」の意味・わかりやすい解説

築上(町)
ちくじょう

福岡県東部、築上郡にある町。2006年(平成18)、築上郡椎田町(しいだまち)、築城町(ついきまち)が合併して成立。南部は求菩提(くぼて)山(782 メートル)をはじめとする英彦山火山群(ひこさんかざんぐん)の北斜面にあたり、山地・山林が広がる。これらを水源とする城井(きい)川、極楽寺(ごくらくじ)川、真如寺(しんにょじ)川などが放射谷を形成しながら北流。周防灘(すおうなだ)に臨む北部には平野、干拓地が広がる。海岸線に沿ってJR日豊(にっぽう)本線、国道10号、東九州自動車道(椎田道路)が走り、日豊本線の築城駅、椎田駅がある。城井川河口の椎田は古い港町、江戸時代は中津街道(豊前(ぶぜん)街道)の宿駅として活況を呈した。基幹産業は農林水産業で、稲作のほかレタス、ダイコン、イチゴなどの野菜・果樹や花卉(かき)を栽培し、林業も盛ん。漁業は沿岸漁業を行っている。北九州市への通勤者が多い。耶馬日田(やばひた)英彦山国定公園に含まれる求菩提山(国指定史跡)は、古くから山岳修験(しゅげん)道場として知られた。本庄(ほんじょう)の大楠神社境内にあるクスは国指定天然記念物(登録名「本庄のクス」)。築上町文化会館「コマーレ」、農業公園「しいだアグリパーク」、物産館を中核とする「メタセの杜」などの施設がある。なお当町、および隣接する行橋(ゆくはし)市、京都(みやこ)郡みやこ町にまたがって航空自衛隊築城基地がある。面積119.61平方キロメートル、人口1万7189(2020)。

[編集部]


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百科事典マイペディア 「築上」の意味・わかりやすい解説

築上[町]【ちくじょう】

福岡県東部に位置する築上郡の町。町の北部は周防灘に面する。2006年1月,築上郡椎田町,築城町が合併し町制。JR日豊本線,椎田道路,国道10号線が通じる。119.61km2。1万9544人(2010)。

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