竜沢寺(読み)りゆうたくじ

日本歴史地名大系 「竜沢寺」の解説

竜沢寺
りゆうたくじ

[現在地名]城川町魚成

奈良なら谷の奥の谷村にある。禹門山と号し、曹洞宗の中本寺として盛時には一一七末寺を擁した大寺(「禹門支流控」竜沢寺文書)。本尊釈迦如来。老杉の林立する石段を登ると楼門・本堂書院禅堂庫裏などが展開する。

竜沢寺は「宇和旧記」に詳細に記される。元亨三年(一三二三)中尾坂なかおざか(現北宇和郡広見町)城主采女正平氏吉貞(法名伊勢禅神)が現在地より山奥御開おかい(五九〇メートル)の地に建立し、開山に徳翁禅師を迎えたが、その後断絶した。嘉吉三年(一四四三)鹿児島の領主島津元久の長男仲翁がこの地に来て中興、鹿児島の玉竜山福昌寺末とされた。


竜沢寺
りゆうたくじ

[現在地名]守谷町立沢

香取神社西方に所在。竜光山と号し、天台宗。本尊観世音菩薩。「下総旧事考」によれば、正応二年(一二八九)宗悔が開き、慶安二年(一六四九)に寺領五・四石を与えられた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の竜沢寺の言及

【城川[町]】より

…かつては江戸初期からのコウゾによる和紙,江戸中期からのハゼノキによる木蠟の特産があった。三滝(みたき)山(642m)山頂に中世の山城三滝城跡,魚成には天保年間(1830‐44)完成の大伽藍が今も残る曹洞宗の古刹(こさつ)竜沢(りゆうたく)寺がある。地質上は黒瀬川構造帯に含まれ,古生代シルル紀の化石も産する。…

※「竜沢寺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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