端渓(読み)タンケイ(その他表記)Duān xī

デジタル大辞泉 「端渓」の意味・読み・例文・類語

たんけい【端渓】

中国広東省肇慶市付近の西江をさす。硯石すずりいし産地
端渓硯」の略。

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精選版 日本国語大辞典 「端渓」の意味・読み・例文・類語

たんけい【端渓】

  1. [ 1 ] 地名。中国、広東省肇慶(ちょうけい)市付近の西江をさす。良質の硯石(すずりいし)の産地。トアンシー。
  2. [ 2 ] 〘 名詞 〙 端渓に産する硯用の石。端渓石。また、それからつくった硯。石質が固く密で、墨のおりがよく、水をたくわえてもあまり吸収しない。端渓硯。
    1. [初出の実例]「端渓に旧坑、新坑及上巖、中巖、下巖ありて」(出典:米庵墨談(1812‐27)続編三)
    2. [その他の文献]〔唐国史補‐巻下〕

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改訂新版 世界大百科事典 「端渓」の意味・わかりやすい解説

端渓 (たんけい)
Duān xī

中国,広東省肇慶(ちようけい)市南東の硯石の産地。付近の西江を羚羊江または端渓といい,南岸の爛柯らんか)山を中心に凝灰岩のきわめて良質の硯材を産出する。そのも端渓,あるいは端渓硯と呼ばれる。唐代の末からその名を知られ,宋代以後は文房具の最高品として文人墨客に珍重された。ちなみに漢代から明代まで引き続きおかれた端渓県というのは,西江の上流に位置する今日の徳慶県で,硯石の産地とは別である。
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百科事典マイペディア 「端渓」の意味・わかりやすい解説

端渓【たんけい】

中国,広東省を流れる西江沿いの肇慶市と広西チワン族自治区梧州市との間に位置する徳慶県の古名。漢代に端渓県が置かれ,1374年廃された。西江に沿って穀物,竹等を集散。爛柯(らんか)山に沿う渓谷から採掘される石で作られる美しい硯(すずり)が有名。現在は肇慶市に編入され,端渓硯は肇慶市の特産品となっている。
→関連項目

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普及版 字通 「端渓」の読み・字形・画数・意味

【端渓】たんけい

端硯。

字通「端」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の端渓の言及

【硯】より

…釉薬は,三彩釉,白釉,青釉,緑釉,褐釉などで,墨堂と硯背は釉薬をかけず露胎になっているのが普通である。一方,唐代は,澄泥(ちようでい)と端渓(たんけい)石,歙州(しようしゆう∥きゆうじゆう)石が新たに開発された点でも注目される。澄泥は川底の砂泥を人工的に固めた硯である。…

※「端渓」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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