竹篦(読み)シッペイ

デジタル大辞泉 「竹篦」の意味・読み・例文・類語

しっ‐ぺい【▽竹×篦】

1 禅宗で、師家が参禅者の指導に用いる法具。長さ60センチ~1メートル、幅3センチほどの、割り竹で作った弓状の棒。
2 片手の人さし指と中指とをそろえて相手の手首を打つこと。しっぺ。

しっ‐ぺ【▽竹×篦】

「しっぺい(竹篦)」の音変化。

たけ‐べら【竹×篦】

竹を削って作ったへら。

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精選版 日本国語大辞典 「竹篦」の意味・読み・例文・類語

しっ‐ぺい【竹篦】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「しっぺい」は「竹篦」の唐宋音 )
  2. ① 竹製の杖(つえ)。ふつう禅宗で用いる法具。師家が学人の教導に用いるもの。竹を割ってこれを合わせ、籐(とう)を巻いて漆を塗った、弓に似たもの。しつべい。
    1. 竹篦<b>①</b>〈長野県安楽寺惟仙像〉
      竹篦①〈長野県安楽寺惟仙像〉
    2. [初出の実例]「拄杖・竹篦をして一老一不老ならしむ」(出典:正法眼蔵(1231‐53)画餠)
  3. ② 人さし指と中指をそろえて、相手の手首などをはじき打つこと。
    1. [初出の実例]「Xippeiuo(シッペイヲ) ハジク」(出典:日葡辞書(1603‐04))
  4. ③ ( 形動 ) ①の形に似ているさま。
    1. [初出の実例]「白じろとした額から、しっぺいにさがった眉のあたり」(出典:今年竹(1919‐27)〈里見弴〉枯竹)

たけ‐べら【竹篦】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ① 竹を削って作ったへら。〔和玉篇(15C後)〕
  3. ② =たけみつ(竹光)①
    1. [初出の実例]「上は脇指中は竹へら 爰元に紙子おどしの鎧着て〈芭蕉〉」(出典:俳諧・江戸広小路(1678))

しっ‐ぺ【竹篦】

  1. 〘 名詞 〙 「しっぺい(竹篦)」の変化した語。

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改訂新版 世界大百科事典 「竹篦」の意味・わかりやすい解説

竹篦 (しっぺい)

禅家の用いる法具の一種。弓を半分に切ったような,竹製の〈へ〉の字形のもので,握りの部分に籐(とう)を巻き,多く漆塗りにする。〈しっぺい〉は漆篦の宋音とされる。

 一般に〈しっぺい〉と呼ぶのは,食指と中指をそろえて相手の手首や甲を打つ遊戯で,〈指しっぺい〉ともいう。簡単な賭事(かけごと)をして勝者が敗者に対して行ったり,交互に手をさし出して打たせ,手を引いて空を打たせて興ずるなどの遊び方がある。この遊びから出たことわざが〈しっぺい返し〉で,仕返しをすること,すぐにそれを行うことをいう。なお,日本中に分布する昔話の《猿神退治(さるがみたいじ)》は,人身御供(ひとみごくう)を要求する神を旅人が退治するという話であるが,東日本では〈しっぺい太郎〉という名の犬が登場して,重要な役割を果たすことが多い。《今昔物語集》や《宇治拾遺物語》にもこの話があるが,犬の名はない。なぜ,その犬に〈しっぺい〉の名が与えられたのか,興味ある問題である。
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