竹光(読み)たけみつ

精選版 日本国語大辞典 「竹光」の意味・読み・例文・類語

たけ‐みつ【竹光】

〘名〙 (古来刀工の名に吉光国光兼光などと「光」の字が多いところからの造語)
刀身を竹を削って作り、刀のようにみせかけたもの。武家の下僕、折助などが刀代わりに腰に差していた。たけがたな。たけべら。
※浮世草子・色の染衣(1687)四「ぬきやるとその竹光はをれるものじゃ」
切れ味の鈍い刀をあざけっていう語。なまくら。
咄本・鯛の味噌津(1779)土左衛門「家につたふる竹光(ミツ)の一腰をわきばさみあるきしが」
③ 竹光を腰に差す下僕、折助などをあざけっていう語。
洒落本・美地の蛎殻(1779)「おゐらがやうな竹光(タケミツ)を可愛がるが孝行さ」
尺八異称
※雑俳・柳多留‐二二(1788)「竹光のけいこ一と月してねろう」

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デジタル大辞泉 「竹光」の意味・読み・例文・類語

たけ‐みつ【竹光】

刀匠の名の兼光・国光などの「光」をつけていう》
竹を削って、刀身にみせかけたもの。
よく切れない刀をののしっていう語。
[類語]竹刀木刀けんつるぎ刀剣太刀大刀たち大刀だいとう小刀しょうとう名刀宝刀軍刀牛刀日本刀青竜刀サーベル銃剣手裏剣真剣短刀懐刀ふところがたな懐剣脇差し小柄匕首あいくちどす人斬り包丁快刀業物木剣木太刀長刀なぎなた

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普及版 字通 「竹光」の読み・字形・画数・意味

【竹光】ちくこう(くわう)

竹林の光。元・呉師道〔夏夜江上〕詩 屋を繞(めぐ)りて、江、竹竿 水風瑟(せうしつ)として、竹光

字通「竹」の項目を見る

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デジタル大辞泉プラス 「竹光」の解説

竹光

古典落語演目ひとつ。「小烏丸」の上方での別題。オチは考えオチ。

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