笞罪(読み)ちざい

精選版 日本国語大辞典 「笞罪」の意味・読み・例文・類語

ち‐ざい【笞罪】

〘名〙 律の五罪の一つ。最も軽いもの。杖罪のものより細い木の棒(節目をとったもので、長さ三尺五寸、大頭の直径三分、小頭の直径二分のしもと)で罪人臀部を打つ。罪の軽重により、一〇打から五〇打の等級がある。笞刑
※律(718)五罪「笞罪五〈笞十贖銅一斤、笞二十贖銅二斤、笞三十贖銅三斤、笞四十贖銅四斤、笞五十贖銅五斤〉」

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デジタル大辞泉 「笞罪」の意味・読み・例文・類語

ち‐ざい【×笞罪】

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改訂新版 世界大百科事典 「笞罪」の意味・わかりやすい解説

笞罪 (ちざい)

律の五刑の一つで,10より50までの5等がある。杖罪と同じく木の枝をもって臀部を打つ刑罰。笞罪の執行に用いるむちは笞杖といい,手もとの直径3分(約9mm),先の直径2分(約6mm)で,杖罪に用いる常行杖よりも1分ずつ細い。長さは常行杖と同じく3尺5寸(約105cm)で,打ったときに受刑者の皮膚が破れて出血しないように,節目を削り取ってある。役人がその執行方法を誤ったり,規定外のむちを用いたりした場合は処罰される。杖罪以上の容疑者が囚禁されるのに対し,笞罪の場合は,囚禁されない。また,訴訟手続上,笞罪は郡司が専決しうるが,杖罪以上の事案は,郡司が判決下し,それをさらに国司太政官等の上級官司が覆審する。笞・杖は《日本書紀》大化2年(646)条にもみえるが,唐律の刑罰体系にのっとった笞・杖罪の初見は,天武11年(682)条である。
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普及版 字通 「笞罪」の読み・字形・画数・意味

【笞罪】ちざい

笞刑。

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世界大百科事典(旧版)内の笞罪の言及

【杖罪】より

…律の五刑の一つで,笞罪(ちざい)と同じく木の枝をもって臀部を打つ刑罰。60より100までの5等がある。…

※「笞罪」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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