精選版 日本国語大辞典 「大頭」の意味・読み・例文・類語
おお‐がしら おほ‥【大頭】
〘名〙
① 儀杖の幡の竿留(さおどめ)の飾りとする旄牛(ぼうぎゅう)の総(ふさ)。後世は代用として馬の尾毛、または墨染の苧(お)を束ね垂らすもの。御即位や御禊(みそぎ)などの時に用いる旗の一種。節(せち)の旗。纛(とう)。おにがしら。

※栄花(1028‐92頃)著るはわびしと嘆く女房「大頭などいひて、例の恐しげに筋ふとき紙縒(よ)りかけて」
※仮名草子・清水物語(1638)下「こがしらは、大がしらをおもんじ、大がしらは家老をおもんじ」
だい‐がしら【大頭】
〘名〙 (「だいかしら」とも)
① 幸若舞の座の一つ。流祖とされる山本四郎左衛門は、室町末期の天文年間(一五三二‐五五)頃を中心に活躍している。この座は室町末期から江戸初期にかけて栄えたが、間もなく衰え、歌舞伎に吸収された。現在、福岡県山門郡瀬高町大江に伝わる幸若舞は、室町末期にこの流れの者が伝えたものという。
※言継卿記‐天文一四年(1545)六月四日「次山本 号大頭 藤井・彦四郎三人曲舞」
② ⇒おおがしら(大頭)
おお‐あたま おほ‥【大頭】
〘名〙
① 大きな頭。また、頭の大きい者。〔書言字考節用集(1717)〕
② 大勢の人の中のかしら。
※雑俳・柳多留‐六(1771)「御子孫は西の国でも大あたま」
③ 金持。富豪。また、有力者。おおつぶり。
※黄表紙・浮世操九面十面(1792)「己こそ金持だ金貸だと云はぬばかりの飛んだ大面な面を被って、〈略〉。何の事はない張子の大頭(おほあたま)があるくやうなり、是より金持の事を大頭(オホアタマ)と云ふ」
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