精選版 日本国語大辞典 「符帳」の意味・読み・例文・類語
ふ‐ちょう‥チャウ【符帳・符丁・符牒テフ・符徴】
- 〘 名詞 〙
- ① 商人が、商品につけて値段を示す印や符号。
- [初出の実例]「えり数や封帳を付て麻衣 胸算用は夜の寝覚も」(出典:俳諧・西鶴大句数(1677)四)
- [その他の文献]〔新唐書‐叛臣伝・李錡賛〕
- ② その仲間だけに通じることば。あいことば。隠語。
- [初出の実例]「素人の耳へはひらぬはやはり商人の符帳(フテウ)にして」(出典:談義本・世間万病回春(1771)三)
- 「間夫の事をけんしといふふてうサ」(出典:洒落本・面美多勤身(1790‐91頃))
- ③ ( ━する ) 金品を分配すること。利益を配分すること。
- [初出の実例]「手んでに取り出す小判の数、ふてふを分る其折から」(出典:浄瑠璃・歌枕棣棠花合戦(1746)三)
- ④ 印。記号。
- [初出の実例]「我かイロハといふに同しく、彼の ABC 等の符徴を以て部分し」(出典:百学連環(1870‐71頃)〈西周〉総論)