出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報
筒井の筒の意。筒井は円筒状にまっすぐに掘り下げた井戸をいい、筒はその井戸の枠をいい、「筒井つ」とまったく同様に使われる。『伊勢(いせ)物語』23段に、幼なじみの男女が「筒井筒(筒井つの)井筒にかけしまろ(私)がたけ過ぎにけらしな妹見ざるまに」「くらべこし振分髪も肩過ぎぬ君ならずしてたれかあぐべき」の歌を贈答しあう恋物語があるため、幼なじみや幼い男女の恋のたとえとしたりするほか、「いつ」と同音の「いつか」「いつも」にかかる序詞として用いる。
[宇田敏彦]