紅砒ニッケル鉱(読み)こうひにっけるこう(その他表記)nickeline

日本大百科全書(ニッポニカ) 「紅砒ニッケル鉱」の意味・わかりやすい解説

紅砒ニッケル鉱
こうひにっけるこう
nickeline

磁硫鉄鉱近縁硫化物の一つ。同構造の紅安ニッケル鉱breithauptite(NiSb)との間は化学組成上連続する。深熱水鉱脈鉱床、ある種の正マグマ性鉱床、変成層状マンガン鉱床などに産し、他のニッケル硫砒化物などと共存する。ニッケルの鉱石鉱物としては顧みられていない。日本では、兵庫県養父(やぶ)市夏梅(なつめ)鉱山閉山)の超塩基性岩中の団塊状のものが有名である。地表条件で分解しニッケル華になる。自形は六角板状。

加藤 昭]


紅砒ニッケル鉱(データノート)
こうひにっけるこうでーたのーと

紅砒ニッケル鉱
 英名    nickeline
 化学式   NiAs
 少量成分  Co,Fe,Cu,Ag,Zn,Pt,Pd,Sb,S
 結晶系   六方
 硬度    5~5.5
 比重    7.88
 色     淡銅赤
 光沢    金属
 条痕    褐灰
 劈開    無
       (「劈開」の項目参照

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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