紫泥(読み)シデイ

精選版 日本国語大辞典 「紫泥」の意味・読み・例文・類語

し‐でい【紫泥】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 中国江蘇省の宜興窯などで製する陶器。黒みのある赤色暗紫色をした無釉のもの。宜興窯では天青泥といわれる土を原料とするという。
    1. [初出の実例]「老僧はまだ朱、紫(シデイ)、烏(うでい)といろいろの急須を有ってゐて」(出典:ごりがん(1920)〈上司小剣〉六)
  3. 紫色の印泥天子詔書を封じるのに用いたり、高貴の人が書簡封印に用いた。〔伊京集(室町)〕 〔西京雑記‐巻四〕
  4. ( より転じて ) 天子からくだされた詔書。
    1. [初出の実例]「紫泥文出仁風動、黄紙詔伝恵露濡」(出典:本朝麗藻(1010か)下・減諸国今年調庸及租税〈源憲房〉)
    2. 「凡そ紫泥の忝なさを」(出典:宴曲・玉林苑(1319)上)
    3. [その他の文献]〔李白‐玉壺吟〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「紫泥」の読み・字形・画数・意味

【紫泥】しでい

紫の印泥。詔書に用いる。唐・李白〔玉壺吟〕詩 鳳凰初めて下す、紫泥の詔 し觴(さかづき)を(あ)げて、に登る

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