紫蘇輝石(読み)シソキセキ(その他表記)hypersthene

デジタル大辞泉 「紫蘇輝石」の意味・読み・例文・類語

しそ‐きせき【紫×蘇輝石】

斜方輝石一種マグネシウム・鉄の珪酸塩けいさんえん鉱物。黒緑色・暗褐色の柱状結晶。火成岩の主な造岩鉱物の一。

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精選版 日本国語大辞典 「紫蘇輝石」の意味・読み・例文・類語

しそ‐きせき【紫蘇輝石】

  1. 〘 名詞 〙 鉄、マグネシウム、珪素(けいそ)などからなる斜方輝石。斜方晶系暗緑色、暗褐色で光沢を有し、多く柱状または板状で、火山岩深成岩などの中に産する。〔英和和英地学字彙(1914)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「紫蘇輝石」の意味・わかりやすい解説

紫蘇輝石
しそきせき
hypersthene

斜方輝石に属する頑火輝石の一種。柱状結晶で、安山岩デイサイト石英安山岩)などの斑晶(はんしょう)として普通に産する。また、特殊な斑糲(はんれい)岩、チャーノッカイトとよばれる高温でできた広域変成岩石、接触変成岩中にも産する。頑火輝石と鉄珪輝石の固溶体のうち、頑火輝石成分が70~50%のものをいう。現在では鉱物学上独立した鉱物名としては扱わない。英名は、かつて角閃石(かくせんせき)と混同されていたため、角閃石より硬いので、非常に強いという意味のギリシア語に由来し、和名は色による。

松原 聰]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「紫蘇輝石」の意味・わかりやすい解説

紫蘇輝石
しそきせき
hypersthene

斜方輝石の一種。 (Mg,Fe)SiO3ハイパーシンともいう。比重 3.45~3.58,硬度5~6。頑火輝石 MgSiO2 (Enと略記) と斜方鉄ケイ輝石 FeSiO3 (Fsと略記) を端成分とする斜方輝石連続固溶体のうち,En50~En70 (分子比) の組成領域のものをいう。 En70~En90 のものは古銅輝石,En90~En100 のものは頑火輝石という。これらの斜方輝石は各種火成岩中に産するが,特に安山岩,石英安山岩では石基,斑晶の両方にごく普通。アルカリ岩中には産しない。

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世界大百科事典(旧版)内の紫蘇輝石の言及

【輝石】より

…MgとFeの比によってそれぞれ異なる名称が与えられている。よく用いられるものとしては,エンスタタイト(Mg100~Mg90Fe10),ブロンザイトbronzite(古銅輝石ともいい,Mg90Fe10~Mg70Fe30),ハイパーシンhypersthene(シソ輝石ともいい,Mg70Fe30~Mg50Fe50)などである。ここでMg50Fe50とは,原子比でMg50%,Fe50%よりなることを表す。…

【斜方輝石】より

…ほかに少量のCa,Al,Ti,Mn,Fe3+などを含む。Fe2+/(Mg+Fe2+)比が0~0.1のものをエンスタタイト,0.1~0.3のものをブロンザイトbronzite(古銅輝石ともいう),0.3~0.5のものをハイパーシンhypersthene(シソ輝石ともいう),0.5~0.7のものをフェロハイパーシンferrohypersthene(鉄シソ輝石ともいう),0.7~0.9のものをユーライトeulite,0.9~1.0のものをフェロシライトferrosilite(鉄ケイ輝石ともいう)と呼んでいるが,最近では0.1~0.9のものを総称してハイパーシンと呼ぶこともある。また,かつては隕石ではブロンザイトとハイパーシンとの境を0.8に置いていたが,最近は誤りやすいのでその分類は用いられない。…

※「紫蘇輝石」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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