日本大百科全書(ニッポニカ) 「経営統計」の意味・わかりやすい解説
経営統計
けいえいとうけい
business statistics
広義には企業経営に関する統計資料に対する総称であるが、個々の企業の立場から、その経営業績の評価や意思決定に供しうる統計資料をさす場合と、個々の企業の経営指標を業種、業態、規模などの分類基準に従って集計、整理、分析したものをさす場合とがある。また、これらの資料に基づいて、具体的な経営意思決定に役だちうる統計的諸手法、たとえば品質管理、在庫管理、投資決定、需要予測などを研究対象とする経営統計学をさすこともある。
ある分類基準に従って個々の企業の経営状態に関する統計を集計、整理、分析したものは、個々の企業の経営判断の指標となりうるが、わが国で公表されているものとしては、財務省の『法人企業統計』、日本銀行の『主要企業経営分析』などがある。
取り扱う内容は、本来、生産、販売、労務、設備、資材、財務など、企業活動の全般にわたるはずのものであるが、生産、販売、労務などの個別の活動に関しては生産統計、販売統計など、それぞれの活動を対象とした統計調査が行われているため、経営統計といえば、財務内容に関した統計と、それに基づいた収益性、成長性、安全性などを示す一連の分析的指標を示すことが多い。
[高島 忠]