国内企業の業績を把握するため財務省がまとめる調査。売上高や経常利益などを業種、資本金別に集計する。設備投資の動向は景気の先行きに関する企業の見方を示す指標として注目度が高い。政府の景気に関する公式見解である月例経済報告や、国内総生産(GDP)の改定値に反映される。3カ月ごとの四半期別と年1回の年次別の調査がある。
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日本の財務省が、企業経営の実態を把握する目的で、統計法に基づく主要な公的統計調査として実施する基幹統計調査に属する統計。その標本調査範囲および調査頻度の面において、日本の企業経営に関する代表的統計である。
一般に企業に関する統計は、静態的な企業構造に関するものと、動態的な企業経営に関するものとに大別される。後者に関する統計は、各企業で作成される財務諸表を基礎資料として作成されるものが多いが、この法人企業統計は、国が実施者となって行う特別の調査によって作成される公的統計であり、調査は、新しい統計法(平成19年法律第53号)に基づく「法人企業統計調査規則」(昭和45年大蔵省令第48号)に従って実施される。対象企業の決算期に応じて行われる年次別調査と、毎四半期末現在で行われる四半期別調査とに分かれている。
調査対象は、これまでは金融業および保険業を除く全国の営利法人等であったが、2008年度(平成20)調査からは、これらの金融機関も含まれることになった。営利法人「等」というのは、株式会社などの営利企業のほか、協同組合連合会なども調査対象となることを意味する。調査は、すべての規模の資本金・基金の営利法人等を対象として標本抽出によって行われるが、2009年度の調査からは、資本金5億円以上の企業はすべて調査対象とする全数調査となっている。ただし、金融業と保険業についての全数調査は資本金1億円以上である。調査事項は、年次別調査ついては、名称等、業種別売上高、資産・負債および純資産、損益、剰余金の配当、費用、役員および従業員数であり、四半期別調査については、名称等、売上高、資産・負債および純資産、固定資産の増減、投資等資産内訳(金融・保険を除いて)、最近決算期減価償却費、損益、人件費である。調査結果は、財務省総合政策研究所のホームページからパソコンでのダウンロード可能情報として提供されているほか、刊行物としては、年次別調査については『財政金融統計月報』の年報特集号および『法人企業統計年報』として、四半期別調査については『法人企業統計季報』として、いずれも財務省より公表されている。
[高島 忠]
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