ある国の外国貿易や国際資本移動などの対外的な経済交流を遮断して経済的に困窮させ、その国の国力の低下やその国が当事国となっている国際紛争を解決することをねらった対外政策の一つである。戦争の際に用いられるだけでなく、平時にも、たとえば革命などによって経済体制を変革しようとしている国に対して用いられることもある。国際連盟や国際連合では、平和を脅かす侵略国に対して制裁を加え紛争を解決する普遍的安全保障の一環として、経済封鎖が規定されている。軍事的な制裁が戦争拡大の危険を内蔵するという難点をもつのに対して、経済制裁は、外国貿易や国際金融への依存度が高くなっている今日の世界では、その効果は大きく、有力な手段だと考えられている。国際連合が行った経済封鎖の例としては、人種差別を続けていたアフリカの南ローデシア(現ジンバブエ)に対して、1966年に安全保障理事会が全面的な経済制裁を決議したものや、1990年のイラクによるクウェート侵攻に対処して、安全保障理事会がイラクに対する経済制裁を決議したのに伴って、各国がイラクとの貿易や資本取引を禁止した例などがある。
[志田 明]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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