(読み)ヌメ

デジタル大辞泉 「絖」の意味・読み・例文・類語

ぬめ【×絖】

生糸を用いて繻子織しゅすおりにして精練した絹織物生地が薄く、滑らかで光沢があり、日本画用の絵絹造花などに用いられる。天正年間(1573~1592)に中国から京都西陣に伝来。日本でも織られた。

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精選版 日本国語大辞典 「絖」の意味・読み・例文・類語

ぬめ【絖】

  1. 〘 名詞 〙 絹織物の一種。天正年間(一五七三‐九二)、中国から京都西陣に伝来した。多く五枚繻子生織物。精練・裏糊を施し、書画の絹本地、ふくさ地、帽子裏、造花などに用いられる。絖地。〔日葡辞書(1603‐04)〕

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普及版 字通 「絖」の読み・字形・画数・意味


12画

(異体字)
21画

[字音] コウ(クヮウ)
[字訓] わた

[説文解字]

[字形] 形声
声符は光(こう)。〔説文十三上を本字とし、廣(広)声、絖をその或る体とする。つやのある布であるので、光に従うものであろう。わが国では「ぬめ」、書画などに用いる光沢のある絹をいう。〔荘子、逍遥遊〕に「絖(へいへきくわう)」という荒れどめの膏薬の話があり、薬を絖(わた)にのばしたものであろう。

[訓義]
1. わた。
2. わが国では、ぬめ。

[古辞書の訓]
名義抄・絖 ワタ

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【繻子】より

…反面,組織点の間隔が広くなるほど織物としての堅牢性を欠き,摩擦に弱いという欠点も生じる。経糸5本,緯(よこ)糸5越の組合せ,すなわち綜絖5枚をもって製織するものを最小単位として,それ以上の枚数(7枚,8枚,9枚,10枚,11枚,12枚等)のものを作ることができるが,一般には五枚繻子と八枚繻子の地合いのものが最も多い。また絹糸を精練し,必要に応じて染色した後に繻子織にしたものを本繻子と称し,生糸で織った後に精練,染色,仕上げをしたものを生繻子,あるいは後練(あとねり)繻子という。…

※「絖」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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