律令制のもとで調庸物や舂米(しようまい),封戸(ふこ)からの輸納物などを京まで運送するときの宰領をいう。国司・郡司がこれにあたるときはとくに〈綱領〉と称した。《延喜式》によれば,米であれば,300石以上は国司の史生(ししよう)以上,それ以下では郡司およびその子弟ならびに富裕な百姓などが携わるという原則が定められている。綱丁は輸送労働者である運脚や担夫を引率し,〈門文〉という一種の送り状を携え,納入した物品について納入先から〈収文〉という一種の領収証を与えられた。彼らは輸送に関して責任を有しており,損失があった場合には一定の割合で私物によって弁償しなければならなかった。9世紀後半になると,納入先である官司や貴族の家が彼らに対して非法な取りたてを行い,一方では,彼ら自身が輸送品を利用して買官や宅地購入などの費用としていたことがあり,混乱が目だってきた。また荘園制下で本所・領家から給米をうけて年貢運送を宰領したものも綱丁と称した。
執筆者:櫛木 謙周
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…古代には上乗の語は見られない。律令制下,調庸などの官物輸送の総轄者である綱領,綱丁(こうちよう)などはさしずめ古代の上乗といえよう。綱領は下級官吏,綱丁は富裕人で,積荷の損害などに責任を負わされていた。…
※「綱丁」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
働き手が自分の働きたい時間に合わせて短時間・単発の仕事に就くこと。「スポットワーク」とも呼ばれる。単発の仕事を請け負う働き方「ギグワーク」のうち、雇用契約を結んで働く形態を指す場合が多い。働き手と企...
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新