(読み)コケ

デジタル大辞泉 「苔」の意味・読み・例文・類語

こ‐け【×苔/×蘚/×蘿】

《「」の意という》せんたいなどのコケ植物や、地衣類シダ類種子植物のごく小形のものなどの総称湿地岩石樹木などに生え、葉状または丈の低い草状をしている。
[類語]水蘚杉苔光蘚銭苔

たい【苔】[漢字項目]

人名用漢字] [音]タイ(漢) [訓]こけ
下等植物の名。コケ。「青苔蘚苔せんたい
コケ状のもの。「舌苔
難読海苔のり

たい【苔】

綱淵謙錠つなぶちけんじょう時代小説同作を表題作とする小説集は昭和48年(1973)刊行作品は、明治維新の頃に起きた士族反乱未遂事件、「思案橋事件」を主題とする。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「苔」の意味・読み・例文・類語

こ‐け【苔・蘚・蘿】

  1. 〘 名詞 〙
  2. コケ植物に属する蘚類(せんるい)、苔類(たいるい)、地衣類およびそれらに似たシダ植物クラマゴケの種類)の通称。
    1. [初出の実例]「あをきこけをきざみて、蒔絵のかたにこの歌をつけて奉りける」(出典:伊勢物語(10C前)七八)
    2. 「縦愁刑の下に死て、龍門原上の苔(コケ)に埋る共」(出典:太平記(14C後)四)
  3. ( 比喩的に ) 体表に付いた垢(あか)、またのような状態のものをいう。
    1. [初出の実例]「あし手のあかがり、のみ、しらみ、ひぢの苔(コケ)にいたるまで」(出典:御伽草子・物くさ太郎(室町末))
  4. 植物「さるおがせ(猿麻桛)」の異名
    1. [初出の実例]「あてへ行くをすての山の真木の葉も久しく見ねば蘿(こけ)(む)しにけり」(出典:万葉集(8C後)七・一二一四)

苔の補助注記

敷物に見立てその美しさをいう「苔筵(こけむしろ)」もあるが、和歌では万葉以来、多くは長い時間の経過や古めかしい状態の形容に用いられる。→苔むす


たい【苔】

  1. 〘 名詞 〙
  2. こけ。
    1. [初出の実例]「苔、水土潤気所生」(出典:正字通)
  3. 胃、腸が悪いときや熱が高いときなどに舌にはえるこけのようなもの。舌苔(ぜったい)

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動植物名よみかた辞典 普及版 「苔」の解説

苔 (コケ)

植物。松茸椎茸・湿地など大型菌類の総称。キノコの別称

苔 (コケ)

植物。サルオガセ科の植物の総称。サルオガセの別称

苔 (コケ)

植物。蘇苔類,地依類などの総称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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