夏の暑さ対策の一つ。室内の温度上昇を防ぐために、建物の壁や窓、窓周辺の地面を直射日光から遮るように、つる性植物を繁茂させるものである。グリーンカーテンともいう。日よけをしながら風通しをよくする、伝統的な簾(すだれ)やよしずと似た効果があるうえ、植物は根で地中の水分を吸い上げて葉から蒸散するため、温度上昇を抑える効果がいっそう高められる。古くから住宅の南面や西面に藤棚を設けたり、朝顔を壁にはわせるように植えたのは同じ効果を得ようとした知恵といえる。緑のカーテンに適した植物は、設置する場所に応じて一年草と、多年草、つる性の木本を選択する。一年草では、ツルレイシ(ニガウリ)、ヘチマ、キュウリ、フウセンカズラ、アサガオ、ユウガオ、インゲンマメ、ヒョウタンなどが一般的である。多年草には、冬に葉が落ちるつるバラ、キウイフルーツ、ヘンリーヅタなどと、常緑のモッコウバラ、常緑性クレマチス、カロライナジャスミン、ツルニチソウ、トケイソウなどがある。環境省は地球温暖化防止国民運動の一つとして、グリーンカーテンプロジェクトを推進している。このプロジェクトの解説によれば、緑のカーテンの設置によって約80%の熱エネルギーを遮ることができるという。
緑のカーテンは環境教育の教材として全国の学校でも行われている。東京都板橋区立第七小学校では、2003年(平成15)より総合学習として緑のカーテンづくりに取り組んでおり、その取り組みが2004年に環境省の地球温暖化防止活動環境大臣表彰を受けた。東京都ではヒートアイランド対策と緑化事業を兼ねて緑のカーテンの設置を推奨するため、壁面緑化ガイドラインを設けている。屋上から下垂させたり、壁に沿わせた専用フレームにプランターを設置するなど、設置場所の条件と植物の特性に応じ、さまざまな設置方法を提案している。
[編集部]
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