フウセンカズラ(読み)ふうせんかずら(英語表記)balloon vine

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フウセンカズラ」の意味・わかりやすい解説

フウセンカズラ
ふうせんかずら
balloon vine
[学] Cardiospermum halicacabum L.

ムクロジ科(APG分類:ムクロジ科)のつる性一年草。北アメリカ南部原産。茎は細く、枝分れし、巻きひげではい登り、高さ3メートルになる。葉は長さ5~10センチメートルの2回3出複葉で、小葉は3深裂した3出複葉。花は7月ころ、葉腋(ようえき)から出た細長い花柄に枝分れしてつき、下部の小花柄が1対の巻きひげとなる。花は白色の径5ミリメートル前後で目だたないが、果実は急に大きくなり、径3センチメートルで3稜(りょう)のある緑色風船形となってぶら下がる。名は、この果実の形に由来し、英名のバルーン・バインは風船形の果実をつけるつる植物の意味で、和名も同様である。垣根鉢植えに利用される。種子播(ま)きは4月下旬から5月上旬にする。

[植村猶行 2020年9月17日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フウセンカズラ」の意味・わかりやすい解説

フウセンカズラ(風船葛)
フウセンカズラ
Cardiospermum halicacabum; balloon vine

ムクロジ科のつる性一年草で,熱帯アメリカ原産。観賞用として鉢植や垣根に植える。つるの長さは 3mにも達し,他物にからむ。2回3出する複葉を互生し,各小葉はさらに羽状に裂ける。葉と向き合って巻きひげのある花序を出し,花はごく小さな白色4弁で夏に咲く。花後,風船のようにふくらんだ3室中空の果実を生じ,直径 2.5~4cmになる。この形がおもしろいので観賞される。各室に径5~6mmの黒い球形の種子があり,その表面ハート形の白い紋があるのが特徴である。

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