途上国の温暖化対策を支援するための国際基金。2010年にメキシコで開かれた気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)で設立が決まった。昨年12月時点で日本や米国、英国、フランス、ドイツを含む43カ国などが資金拠出を表明した。温暖化ガス削減のほか、海面上昇で国土水没の危機に直面している島しょ国の対応策などにも資金を出す。事務局は韓国・
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開発途上国の地球温暖化対策を支援する目的で発足した国際基金。2009年の国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP15、コペンハーゲン合意)で提言され、2010年のCOP16(カンクン合意)で設立に合意した。英語の頭文字からGCFと略称される。グリーン気候基金やコペンハーゲン・グリーン気候基金とよばれることもある。本部を韓国の仁川(じんせん/インチョン)・松島(ソンド)地区に置く。事務局長はフランス出身で女性の地位向上を目ざす国連UNウィメン事務局次長などを務めたヤニック・グレマレックYannick Glemarec。最高意思決定機関は理事会で、24人の理事で構成され、うち12人は先進国、残る12人は途上国や小島嶼(とうしょ)国から選ばれる。基金への拠出では、2018年までに43か国・2地域が約103億ドルの拠出を表明し、2020年1月時点で、28か国が97.8億ドルの追加拠出を表明した。主要拠出国とその合計拠出表明額はそれぞれ、イギリスが30.5億ドル、日本が30億ドル、フランスが27.4億ドル、ドイツが27億ドル。アメリカは当初30億ドルの拠出を表明したが、トランプ政権発足で10億ドルの拠出にとどまっている。
世界銀行が信託契約に基づいて基金の資金管理を実施。基金は、その50%を途上国の温暖化ガスの削減対策(緩和策、ミティゲーション・アクションmitigation action)にあて、残りは水没の危機にある島嶼国や異常気象に悩まされる後発途上国の対策(適応策、アダプテーション・アクションadaptation action)に使われる。国際機関や民間金融機関など世界95の認証機関が支援プロジェクトを申請し、理事会が採択する。日本政府が2015年(平成27)の通常国会で15億ドル拠出の承認を得たことから、基金は運用開始に必要な基準額(100億ドル)を超え、運用が始まった。2020年1月までに都市の上下水道管理プロジェクト(フィジー)、近代化された気候情報および早期警報システムの使用拡大(マラウイ)など124のプロジェクトを採択した。
[矢野 武 2020年5月19日]
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