編物を編む機械の総称。家庭用の手編機と工業用編機(メリヤス編機)の2種類がある。1589年にイギリスのW.リーによって発明された足踏み靴下編機が最初のものである。家庭用の手編機は手編みをすばやく行うために考案されたもので,日本では1924年萩原まさによりガーター編機(針を1列に並べた板2枚を使用して編む日本独自の手編機)が発明された。しかし,まだ相当に手のかかるものであった。その後各種の改良型が生まれ,第2次大戦後間もなく,給糸,編成を1動作で行うことのできる工業用横編機の機構を利用した手編機(ただし針床は1枚)が考案された。この編機の原理は,現在普及している動針型の手編機とほぼ同じである。
現在の手編機は,キャリッジを左右に動かすことにより,タック(引上げ),すべり目,スレッド,同時編込み,添糸などによる模様およびワンポイント模様などを自動的に編むことができる。パンチカード(模様に応じて多くの穴をあけたカード)の模様を機械的に検知して編むものと,模様カードのパターン(模様に応じてます目を塗りつぶしたカード)を光学的に読み取って編むものとがあるが,後者は同一カードで模様の引伸し,対称配置などが簡単にでき,カードの作成も容易である。その他,レース,タックレース模様は専用のキャリッジを用い,ゴム編,あぜ編,袋編などはゴム編機(リブニッター)をセットすれば簡単に編める。通常2色の色糸を同時に編むことができ,付属装置をつければ多数の色糸から自動的に色糸を選択できる(現在は4色程度)。また完全自動ではないが,アーガイル編もできる。なお,目数は200,ピッチ4.5mmが標準であるが,太糸用の編機もある。
執筆者:近田 淳雄
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…メリヤス(ニット)生地またはメリヤス製品を編む機械の総称で,普通は工業用の編機をさす。メリヤス編機は表に示すように,緯(よこ)編機と経(たて)編機とに大別される。緯編機は,編糸が針(メリヤス針)に対して直角の方向から供給され,緯方向に編目を編成していくもので,できた編目を順次経方向につづっていくので編糸の本数は少なくてすむ。これに対して経編機は,1本の編糸が経方向に連続して編目を編成していくもので,幅方向の編目の数だけ編糸の本数が必要となる。…
※「編機」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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